下がり天井とは、空間の一部の天井高を低くする建築手法です。
内装にアクセントを作るための手法で、デザイン性を高めたり高級感のある空間に見せることができます。
また、天井が低い空間は落ち着くという効果があるため、
ゆったりと過ごしたい空間に採用することもおすすめです。
一方で、下がり天井の面積が広すぎたり濃い天井の色を選んだりすると
圧迫感を感じることもあるため注意しなければなりません。
メリット
メリットは、次の3つです。
1. 空間をやんわりと仕切れる
2. デザイン性が高くおしゃれになる
3. 露出する排気ダクトを隠せる
1.空間をやんわりと仕切れる
下がり天井を設ければ、一つの空間を壁や家具を置いて完全に仕切らなくても、
別空間としてやんわりと仕切れます。
LDKなどの広いワンフロアの空間では、どことなく締まりのない印象になりがちです。
しかし、部分的に天井を下げるだけで空間にメリハリを付けられます。
空間をはっきりと仕切りたくはないけれどメリハリがほしい場合は、アクセントになります。
施工事例Ⅱ 施工事例Ⅲ
2.デザイン性が高くおしゃれになる
キッチンに下がり天井を取り入れると、デザイン性の高いおしゃれな空間に仕上げられます。
部分的に天井高に段差を設けると、天井に使用する素材や色を切り替えられるので、
デザインのバリエーションが増えます。
通常の天井部分と下がり天井部分の素材や色の対比が楽しめる点も、メリットの一つです。
段差を利用して設置する照明の種類を複数に分ければ、デザイン性がさらに高まります。
施工事例Ⅳ 施工事例Ⅴ
3.露出する排気ダクトを隠せる
下がり天井をキッチンに設けると、通常の天井高では露出してしまう排気ダクトをおしゃれに隠せます。
通常の天井高の場合、レンジフードの種類や設置する位置によっては、排気ダクトが露出してしまいます。
排気ダクトを隠すために、レンジフードのある位置から壁まで天井を下げるのは、不自然です。
しかし、キッチン全体の天井高を下げれば、デザイン性を兼ねながら自然に排気ダクトを隠せます。
施工事例Ⅵ 施工事例Ⅶ
デメリット
デメリットは、次の3つです。
1. 追加の施工費用がかかる
2. 掃除の手間が増える
3. 場合によっては圧迫感のある印象に
1.追加の施工費用がかかる
キッチンに下がり天井を取り入れるには、多くの場合、追加で施工費用が必要です。
多くのハウスメーカーや工務店では標準仕様でないので、追加費用がかかります。
間接照明を使用する場合やクロスを変更する場合は、さらに追加費用がかかります。
具体的な費用については、施工を依頼する会社に見積もりをとって確認しておくことが大切です。
2.掃除の手間が増える
天井の段差部分の隙間にホコリがたまり、フラットな天井よりも掃除に手間がかかります。
手が届かない高さですので、脚立や椅子が必要です。
モップ部分の角度調節ができたり持ち手部分が伸縮したりするハンディーモップなら、
機能的で手軽に手入れできます。
3.場合によっては圧迫感のある印象に
キッチンを使用する方の身長やフロアの面積によっては、圧迫感を覚える場合があります。
特に高身長の方が使用する場合は、天井との距離が近くなるので、注意が必要です。
また、フロア全体の面積を広くとれないと窮屈に感じる場合があります。
フロア全体のバランスを見ながら、検討してみても良いと思います。
下がり天井をおしゃれにするには
おしゃれに仕上げるには、次の2つを取り入れることをおすすめします。
木目調や白色を取り入れる
間接照明を取り入れる
1.木目調や白色を取り入れる
下がり天井部分の色を木目調や白色にすると、圧迫感が出にくくなり、
温かみのある空間に仕上がります。
床がフローリングの場合は、下がり天井を木目調にそろえると、全体でまとまりのある印象になります。
下がり天井部分に濃い色を使用すると、統一感のない印象になってしまうので注意しする必要があります。
2.間接照明を取り入れる
天井の段差を利用して間接照明を取り入れると、よりおしゃれな演出ができます。
天井の段差部分に間接照明を設置して高い方の天井を照らすと、柔らかい光が広がり、
高級感のある落ち着いた雰囲気になります。
空間が立体的になるので、視覚的に奥行きを感じやすく、空間を広く感じられます。
まとめ
下がり天井のキッチンは、壁を設けずにワンフロアの空間をやんわりと仕切れて、
間延びした印象になるのを防げます。
露出してしまう排気ダクトを、デザインの一部としておしゃれに隠せる点もメリットです。
しかし、標準仕様ではないのが一般的で、取り付けるには追加費用が必要になります。
通常の天井より掃除に手間がかかるデメリットもありますが、
シンプルでおしゃれなキッチンにしたい場合の選択肢となります。
全体の天井高とのバランスや、素材や色の選び方に注意して、ぜひ取り入れてみてください!