木の香りや風合いを味わえる「無垢材」。1本1本表情が違う、味わい深い美しさを持つ、魅力的な建材ですよね。
カントリー調や北欧スタイル、ナチュラル系など、さまざまなテイストのインテリアで活躍する無垢材ですが、この記事では、そもそも無垢材とはどのようなものなのか、もっともよく使われる「フローリング」を例に、ご紹介していきます。
無垢材とは
無垢材とは、1本の丸太から切り出した、天然の木材のことを指します。スギやヒノキ、オークなど、さまざまな種類の木が、用途に合わせて使い分けられています。
これに対し、さまざまな種類の木材を接着剤で合成したものを「集成材」と言います。
無垢材などんなところに使われる?
無垢材はさまざまな場所に使われますが、リフォーム・リノベーション分野に絞ってみると、よく目にするのはフローリングや壁、天井などの建材。そのほか、テーブルや棚などの造作家具などにも使われています。
無垢材を使うメリット
■熱伝導率が低い
フローリングに無垢材を使うメリットは、なんといっても熱伝導率が低いこと。字面だけ見ると「なんか寒そう...」という誤解を招きそうですが(笑)、これは外気などの影響を受けにくいということを指し、夏はひんやり、冬はほんのり温かい肌触りが楽しめるということ。
■手触りがいい
木のぽってりとしたぬくもり、柔らかい質感が楽しめるのも、無垢材のいいところ。素足で歩くと気持ちいいですよね! お子さんやペットの足の裏に優しいのもうれしいポイントです。
■経年変化が楽しめる
時間の経過とともに風合いが変わっていくのも、無垢材の面白いところ。光の影響を受け、ブラックウォルナットは赤みがかっていき、ブラックチェリーは色が濃くなっていくなど、木の種類によって色味が変わっていくことも。時間とともに「育っていく」感じを楽しみたい方には、無垢材がぴったりです。
■調湿効果がある
調湿作用とは、部屋の湿度を無垢材が吸収・放出すること。例えば夏場の湿気の高いときは水分を吸収し、乾燥しがちな冬は蓄えていた水分を放出することで、1年を通して室内の湿度を快適な状態に保ってくれるのです。
無垢材を使うデメリット
■種類によってはキズがつきやすい
たとえばスギのような柔らかいタイプの無垢材を使用している場合は、物を落とした時にへこんだり、ペットの爪の跡が残ったり、キズが付きやすいという難点も。なるべくキズをつけたくないという方は、どのタイプの無垢材を使えばよいか、事前にしっかりとリサーチすることが大切です。
■床暖房には不向き
木の中の水分量が熱により変化することで、場合によってはフローリング材が反ったりひび割れたりすることも。そのため、床暖房との相性はいまいち。ただ、最近では床暖房でも使えるよう加工された無垢材などもあるので、メーカーに問い合わせてみましょう。
■水に弱い
水がかかった無垢材は放置してしまうと、木が膨張して反りの原因になります。また、水ジミが残ってしまうことも。濡れたらすぐに拭いてあげましょう。
■メンテナンスが必要
無垢材はもっとも天然の状態に近いので、熱や湿度の影響を受けやすいことはご説明してきましたが、それだけに、いい状態をキープするには定期的なお手入れが必要。その分、手間がかかります。
フローリングの種類
ひとくちにフローリングといっても、使われる板材にも種類があります。代表的な4種類について、ご説明します。
■無垢(単層フローリング)
丸太から切り出した、いわゆる「一枚板」。もっとも天然木の風合いを残した建材ですが、先に挙げたデメリットのように、他の種類のフローリングより若干扱いづらい一面も。
■挽き板(複合フローリング)
厚さおよそ2㎜にスライスされた無垢材を合板のうえに接着剤で貼り付けた集成材。表面の木材にしっかり厚みがあるため、使用された木の風合いや感触を楽しめるうえ、無垢材より反り返りが起こりにくいメリットも。
■突き板(複合フローリング)
「突き板」とは、厚さおよそ0.3~1㎜程度の厚さにナイフで突いた(=スライスした)板を言い、それを合板に貼り合わせたフローリングのことです。天然木の風合いと機能性を兼ね備えつつ、お値段が手頃なところが特徴。
■シート(複合フローリング)
本物の木ではなく、木目をプリントしたシートを合板に貼り付けたフローリング。デザインが豊富、お手入れがしやすい、値段がお手頃などの特徴がありますが、木の風合いや時間とともに表情が変わるなどの要素は期待できません。
無垢材の寿命は?
例えば無垢材を使った単層フローリングは寿命が長いとされ、一般的には30年程度と言われています。ですが、表面が傷ついても削り落とすことが可能なため、極端な話、お手入れ次第で寿命は伸びると考えてもよいでしょう。
一方、接着剤を使用している複合フローリングの場合は表面がはがれてくることもあるので、10~20年程度で張り替えを検討したほうがいいとされています。
無垢材のお手入れ
■日頃気を付けたいこと
【乾燥】
ひび割れや軋みの原因となるため、乾燥には注意しましょう。エアコンやホットカーペットなどで暖めすぎると乾燥が進みますので、マメに電源を切る、加湿器を合わせて使うなどの工夫を。
【直射日光】
日焼けの原因となるため、直接日光が当たる場合、カーテンなどで光をさえぎるとよいでしょう。
【水分】
長時間濡れたままにしておくと、シミや割れ、変色の原因に。濡れたらすぐにふき取るようにしましょう。
■無垢材フローリングのお手入れ方法
日頃のお掃除の場合、掃除機でホコリやごみを吸い取り、乾いた雑巾やモップで拭いてください。それでも汚れが取れず水拭きしたい場合は、雑巾などを固く絞り、水分が残らないように注意しましょう。
専用のクリーナーワックスがけは、フローリングによって最適なワックスが異なりますので、建築・施工業者へ確認の上、行ってください。
無垢材の価格
無垢材の価格は木の種類を始め、木目や節の状態などによってもグレードが変わります。また、遮音性が高いものや床暖房対応など、機能性を高めたものなどは通常より価格が高い傾向にあります。
参考までに、リフォームにかかる材料費や工事費がわかる「積算資料ポケット版 リフォーム編」(経済調査会刊)による、木の種類別材料費をご紹介します。
■木の種類別材料費
・パイン:5,080円~
・ナラ(オーク):6,060円~
・チーク:9,330円~
※単層無垢フローリング/単位:1㎡のばあい
※別途工事費や諸経費がかかります
■無垢材でリフォームする場合の費用
また、「ナラ(オーク)の無垢フローリング材」で「床面積25.0㎡(リビング・ダイニングを想定)」のリフォームをした場合、費用はおおよそ85万円程度(材料費・工事費込み)と明記されています。
葛西ショールームの無垢材は音楽好き!?
私たちベストリホームの葛西ショールームにも無垢材を使用しているのですが、実はちょっと変わった「音響熟成木材」という床材を使っています。
「音響熟成木材」とは、南九州産の杉を、クラシック音楽が流れる冷蔵庫でじっくり常温乾燥させる、独自の製法で作られた木材のこと。保湿性や保水性、防菌作用などに優れ、使えば使うほど味が出てくる「生きている木材」です。
このフローリング、節がたくさんあって表情豊かな見た目もステキなのですが、もうひとつ特筆すべきは、ものすごーく手ざわりがいいこと! 素足で歩くと気持ちがいいこと請け合いです。
無垢フローリングを採用したリフォーム・リノベーションをご希望の方は、ぜひショールームで実際に体験してみてくださいね♪
一覧へ戻る