「あれ...外壁にキノコが生えてる!?」「え?家の中にキノコ!?」
...そんなことあるの?!という話しですが、実は梅雨や台風の時期、日の当たらない場所ではキノコが生えるということも珍しくないんです。家にキノコが生えてしまうと、見た目にも衛生的にも心配ですよね。
この記事では、家にキノコが生える原因と対処法についてわかりやすく解説します。
家にキノコが発生する原因
キノコと言えば自然の中、森や林に生えているイメージですよね。では、なぜ家にキノコが生えてしまうのでしょうか?キノコは菌類で、胞子が風に乗ってさまざまな場所に飛んでいきます。窓から侵入したり、衣服に付いて室内に入ったりします。そして湿度の高い場所に着地すると、そこで繁殖を始めるんです。
湿度が60〜80%に加えて、木が湿った状態が2週間以上続くと要注意。木材腐朽菌(もくざいふきゅうきん)という菌が繁殖し、たとえ家の中でもキノコが生えてくるのです。
キノコを放置しては危険
キノコを見つけた時「別に危険はないでしょ?」「今は忙しいから今度対処すればいいか」と思うかもしれません。中には、「珍しいから育ててみたい!」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし長期間放置すると、見た目が悪くなるだけでなく、家にとって深刻な問題を引き起こす可能性があります。
キノコは繁殖力が高く、ほんの少し生えていたキノコがどんどん増えてしまって収拾がつかない事態になることも。具体的にどのようなトラブルが起こるのか見てみましょう。
木材を腐食させる
家に生えたキノコは木材腐朽菌です。この菌は木材を分解し、栄養源として利用します。もしかして、以下に当てはまりませんか?
- 木材の表面が白っぽい、または黒っぽい
- 木材に亀裂が入っている
- 木材の表面が崩れている
- 指でつまむと細かく割れる(粉状になる)
腐食の症状に気づいたら、できるだけ補修または交換を行うようにしましょう。
シロアリを呼び込む
キノコによって木材が腐食すると、その過程で「セルロース」が発生します。実は、このセルロース、シロアリの大好物なんです。つまり、キノコを放置することはシロアリを招き入れることにもつながります。シロアリは家の木材を食べ、床がぶかぶかになったり構造材が空洞になったりします。
シロアリが大量発生してから駆除をプロに依頼すると、費用相場は1坪あたり6,000円〜10,000円。30坪のお家で30万円前後かかってしまいます。余計な出費を防ぐために、できるだけ早くキノコ対策をしたほうがよいでしょう。
家の強度が低くなる
キノコやシロアリを放置すると木材の腐食が進み、家全体の強度をじわじわと弱めていきます。問題を放置すればするほど、修復にはより大掛かりな工事が必要となり、結果的に費用も膨らんでしまいます。さらに、地震などの自然災害が起きた際、強度が低下している家は倒壊のリスクが高まります。
「もしもの時」を考えたくないかもしれませんが、その「もしも」が現実にならないためにも、キノコやシロアリを発見した時はすぐに対応しましょう。
家に生えたキノコの対処法
家にキノコが生えてしまったら、どうしたらいいのでしょうか。ここからは、具体的な対処法を紹介します。
キノコをヘラで取り除く
まずはキノコを物理的に取り除くことから始めましょう。金属製のヘラなどを使って、慎重にキノコを削り取ります。キノコは成長が早いので、スピード勝負です。気づかないうちに増殖しているかもしれません。ひとつ見つけたら念のため周りも確認しておきましょう。
この時、キノコの胞子を空中に飛散させないよう注意が必要です。除去したキノコはビニール袋に入れ、しっかり密閉して処分します。
殺菌剤を使う
見えるキノコを取り除いただけでは根本的な解決にはならないかもしれません。キノコの下には見えない菌糸が広がっている可能性が高いため、塩素系の薬剤(殺菌剤)を使って殺菌します。
薬剤を使用する際は以下のポイントに注意してください。
- 希釈倍率や散布量などの用法用量を守る
- 長袖・長ズボン、マスクや手袋、ゴーグルを着用する(皮膚に直接触れないように)
- まず小さな範囲で試す(場所や素材によっては色落ちや素材を傷める恐れがある)
薬剤の取扱説明書をしっかり読みましょう。希釈方法や散布方法などを誤ってしまうと効果が出ない場合もあります。
木材を修理・交換する
キノコの原因となった部分は補修や交換が必要かもしれません。専門家に状況を確認してもらいましょう。水漏れ修理や木材交換の他に、キノコ駆除・シロアリ調査も行う業者もいますよ。多少費用はかかりますが、これからもこの家で住み続けるためにも、ぜひプロの手を借りてください。
まとめ
今回は家にキノコが生える原因とその対処法について説明しました。キノコは生命力が強く、条件が揃えば外壁や室内でも繁殖します。キノコを見つけ次第、迅速な対応が必要です。見た目の問題だけでなく、家の構造にも深刻な影響を与える可能性があるからです。
発生したキノコは取り除き、薬剤を使って殺菌しましょう。できれば専門家の手を借りて根本的な解決を目指してください。家は家族みんなの大切な場所。キノコが発生しても早めに対処すれば、快適な住環境を保つことができますよ。
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