住宅の断熱化では、窓などの開口部の断熱性能を高めることが大変有効なのはご存じですか?
冬の暖房時に室外に逃げる熱のうち、48%の熱が開口部から逃げています。
これは、外壁の19%と比べると、開口部の面積が外壁の面積より少ないにも関わらず、
熱の損失量は外壁の2.5倍ということになります。
窓は、「建具」と「ガラス」から構成され、下表に示す仕様が一般的です。
(1)建具の材種
建具はその素材と構造によって断熱性能が異なります。建具に使用される素材は、金属や木材、プラス
チック等ですが、その熱伝導率には大きな差があります。
金属の建具は、熱を通しやすいため、木やプラスチックとの複合構造とし、より断熱性能を高める仕様に
しているものもあります。
(2)ガラスの種類
ガラスには、次のような種類があります。
①単板ガラス
最も一般的な透明な平板ガラスで日射の約9割が透過します。
②複層ガラス
2枚の板ガラスの間に乾燥空気を封入することで断熱性能を高めています。日射の約7~8割が
透過します。
③Low-E複層ガラス[日射取得型]
Low-E複層ガラス[日射取得型]とは、低放射膜を、主に複層ガラスの室内側のガラス(空気層面)に
使用したもので、
波長の短い日射は室内に透過させ、波長の長い室内からの放射熱を反射するので暖房効果を高める
特徴を持っています。
④Low-E複層ガラス[日射遮蔽型]
Low-E複層ガラス[日射遮蔽型]とは、低放射膜を、主に複層ガラスの室外側のガラス(空気層面)に
使用したもので、
暖房効果を高めるとともに、夏期の日射侵入を軽減します。
⑤Low-E三層複層ガラス[日射取得型]
3枚の板ガラスと2つの中空層からなるものであり、1枚以上の板ガラスに低放射膜[日射取得型]を
中空層に面するように使用しているものです。
⑥Low-E三層複層ガラス[日射遮蔽型]
3枚の板ガラスと2つの中空層からなるものであり、1枚以上の板ガラスに低放射膜[日射遮蔽型]を
中空層に面するように使用しているものです。
⑦遮熱複層ガラス
室外側のガラスに熱線反射ガラスまたは熱線吸収板ガラスを使用して、日射熱取得率を低減した
複層ガラス。
ガラスには色々な種類がありますが、省エネ住宅はLow-E複層ガラスを使っている事が多いです。
どのタイプの窓を採用するのか検討することが、断熱化への第一歩だと思います。
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