こんにちは! 本多建設の本多和彦です。
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首都圏の緊急事態宣言解除がさらに二週間延びてしまいました。
相変わらず自粛自粛と、ステイホームの状態が続いていますね。
3月に入りようやく春の兆しが見え始め、気温も少しずつ上昇してきました。
道路に雪がなくなり、白く乾いた舗装道が広くなり、
車の運転もだいぶ神経を使う必要がなくなりました。
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春はいつもどこかへ行きたくなります。
この一年ひたすら会社と自宅の往復しかなく、
それでも今年の大雪に見舞われた冬場は
我慢のしようもあったのですが、
さすがにここにきて春の香りとともに、身心が疼いてしまいますね。
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かといって、人知れず何処かへ旅をするなんてできもせず、
先日、いつものように通販のアマゾンを開いて見ていたら、
松本清張の「Dの複合」という本がお薦めされておりました。
はるか昔に読んだ覚えがあり、それは山陰地方や京都などを
JRの時刻表を見て旅をするうちに事件に巻き込まれていく
ストーリーのような気がして、実際に出かけられないうっぷんを
この本でも読んで、その時代の電車の旅を懐かしんでみようと、
中古本を探して、買いました。
なるべく安く、質のいい本に出会うのはなかなか難しく、
最初、昭和48年発刊、平成9年47刷で、
定価560円(税込)新潮文庫の本を337円で買いました。
届いた本はだいぶ色褪せており活字も小さく、
結構な長編ですから、これを読み続けるには相当の体力が必要なことと、
眼の疲れがひどくなりそうで三分の一ほど読んだころには、
内容の面白さに引きずられてはいるものの我慢の限界に達し、
もう一度アマゾンを開き今度は一番新しい本を購入しました。
同じ新潮文庫の発行日も同じで、平成15年53刷改版、
令和3年2月15日69刷、つまりできたてのほやほやの本を買いました。
値段は880円(税込)。
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アマゾンでの中古本を購入するときの注意は、ときどきこんなこともあるんです。
安く買えたと思っても、届いた本があまりにもひどすぎて、
捨ててしまったことなどはたまーにあるんです。
読んでしまえば多分二度と読み返すことなどないものの、
一応手元にとっておき、毎年増える本棚に収まって、
いつのまにかその存在すらも忘れて、
同じ本を何度も買ってはまたやってしまったと悔しがるわけです。
それも一つには私の趣味ともいえるのかもしれません。
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私の本棚には過去に読んだ本はほとんど残してありますが、
8年くらい前に半分くらいブックオフで処分しました。
でも好きな作家の本は処分できず、
かといってその本をもう一度読もうとはしません。
古くて汚れており、当時の活字が小さくて、今の私の老眼では読み切れません。
時々思い出したように過去を振り返ったとき、
本棚の本とリンクすることがあるんです。
そのためだけかもしれませんね。
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「Dの複合」は間違いなく買ってはいましたが、本棚にはありませんでした。
いつ頃買って読んだのかが気になり、調べて見ると
初版本は昭和43年、光文社より発売とあります。
当時松本清張の本は光文社が手掛けており、
カッパノベルズというカッパが笛を吹いているロゴマークが有名だったかもしれません。
つまり私が大学2年の頃で、あの頃はバイトをして
ちょっと小遣いをためては国内の一人旅をしていたものです。
その時のお供に、時刻表と一緒にこの本をもってふらふらと彷徨っていたんでしょうね。
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今から53年も前の小説のことを未だにかすかに覚えてるなんて、
昨日のことさえ思い出せない現実を、これをハンボケというらしいですな。
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2021.03.10
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