土間とタイルで構成されていたキッチン部分を、柱や梁は残しつつ、最高級キッチンスペースに。
床は土間、流しはタイル、天井からは雨漏れの痕跡があり、外周部の柱も腐食が激しく、再利用が難しい状態でしたが、腐食部は全てやり替え、筋交いで補強し、壁/天井には断熱材を新設しました。キッチンはＬＩＸＩＬの最上位グレードを選定頂き、窓も上位断熱グレードを採用していただいた事により、見た目も高級ですが、見えない部分も高級仕様となりました。
古き良きモノは再利用
梁や柱は、既存のモノを清掃しただけですが、新しく設置するモノとは違う古民家の雰囲気を残しています。花型の窓開口には、漏水の恐れもありましたので、嵌め殺しの複層ガラスを設置し、外部の漆喰も巻き込んであります。壁は、漆喰を塗り、床は畳を新調することで、調和がとれています。
既設梁や建具を利用しつつ、雰囲気を保つ
既設の梁や柱は、清掃のみで活かしつつ、キッチンから見える建具以外は、元々の建具を再利用しています。和室２部屋には、床暖房を設置し、冬場もより快適な環境で生活していただけます。（サッシは、断熱最上位グレードですが）新調した建具も、古色色を使い、格子形状を施主様のご要望デザインにしたことで、新旧が自然と融合しました。
トイレ前ホールには、造作手洗いスぺースと、造作本棚兼用クローゼットを。
トイレ前のスペースには、造作で施主様支給手洗い器と収納、本棚兼用クローゼット扉を新設。古民家にも溶け込み、アクセントクロスが手洗いスペースを引き立てています。
玄関すぐ横の和室には、囲炉裏を新設
玄関に入ってすぐ横の和室には、囲炉裏を新設。玄関は、ほとんど既存の状態ですので、違和感が生まれないような、火棚、自在鉤、囲炉裏に仕上げられました。この和室の建具は全て既存のまま再利用しています。
離れの小屋裏へ上がる階段を新設
離れの１階から小屋裏に上がるのは、改修前は外部の天井板を外し、はしごを掛けて上がっていましたが、離れの１階の床を母屋のキッチンの床高に合わせて、階段を新設しました。離れの１階や小屋裏も、梁を既存再利用し、雰囲気を維持。
担当者コメント
LIXILリフォームショップホームウェルフジサワ 設計 奥村 弘
初めてのお打ち合せから、契約まで約１年近く、ご相談させて頂き、着工から完成までも約９ヶ月もかかり、その長町場の中、コツコツ打合せをして頂き、素晴らしい出来栄えの改修工事になったと思っています。お客様自身が古きモノを大事にされ、古民家の雰囲気が好きな方で、当社との考え方と相違があった時もありましたが、住まれるのは施主様ですので、その雰囲気やイメージを大切にしないといけないと改めて感じさせていただきました。