「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず、よどみに浮かぶうたかたは・・」鴨野長明「方丈記」冒頭。
最近、外出の機会も減り、仕事とスーパーとおうち時間の毎日。私にできることはコロナ対策と被災地への少しばかりの募金活動くらい。このご時世「おうち時間を幸せに」とリクシルさんはメッセージを発信しています。そうですね。私の「おうち時間」は、活字に触れる時間が増えて嬉しいです。東京大空襲の焼け野原で活字に飢えた人々は、焼け残った柱や廃材にもかすかに読み取れる文字を求めたそうで・・今、私は古典を読んでいます。
鴨野 長明の「方丈記」は400字詰めで20枚くらいの鎌倉時代の随筆。改めて読み返してみると、当時から "「人間の宿命」は変わらない"と気づきます。
「(諸行)無常」というと「平家物語」がまず頭に浮かびますが、「平家物語」と「方丈記」の違いは、前者は「兵乱」の物語。後者は「兵乱」以外の「人の世」のすべて(つまりは無常観)を書き記している点です。
<「方丈記」は現代を映す鏡そのもの>
当時、「安元の大火」「治承の辻風」「元歴の大地震(おおなり)」「養和の飢餓」が人々を苦しめ朝廷は祈祷を行います。
疫病感染(疱瘡など)は"常"であり地震を含めた災害改元(天皇崩御による年号改め)は珍しくはありませんでした。そうです。「火事」「台風」「地震」「食糧問題」「コロナ」すべてにおいて現代を映し出ししていると思いませんか? 医療の進歩、グローバル化の21世紀を迎え、コロナを含め「人類」は「無常」の世界に在ります。自然科学はヒトも進化途上の一つの種に過ぎないことを教えてくれていると思います。
・・・おまけの話・・・
もしもタイムマシーンで未来に行けたなら、どのくらいのスパンで未来にワープしたら"現代の苦しみを克服した「地球」?"にたどり着けるのかナ~。
「愚者」は体験に学ぶ。「賢者」は歴史に学ぶ。そして歴史は繰り返す。(著名人の言だったような?)
すべての「生ある魂」に幸せが満ち溢れますように!
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