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心に蓋をして前を向いて生きていこう

今日の日がようやく来たというか、やっと来たというか。
Cちゃんが進学のため、Cちゃんパパと早朝出かけて行きました。
空には半月の月がきれいに輝いていました。
その車を見送りながら、よくここまでやってこれたと自分を褒めました。
 
10年前、急に発病した娘とCちゃんを家に連れ帰って、70日間の闘病の後娘は召されました。
それからの半年、Cちゃんパパが転勤して一緒に暮らせるようになるまでが、みんなが一番辛かった時。
娘の後を追うように義父も亡くなり、私は看護疲れと心労で発病。
病名が分からないまま、奈落の底に引きずこまれるようだった。
 
幸い病名がわかり、薬でコントロールできて今がある。
 
あの怒涛のような日のことが、ここ2~3日寝ていても思い出される。
 
娘の付き添いの夜、病院のラウンジで我が身に替えて娘を助けてと祈った。
その口も乾かないうちに、9歳の孫娘のために、なんとか10年は生かして欲しいと祈った。
病床の娘に、必ず治るからと嘘を付いて励ました日々の辛さ、強い鎮痛剤で目を覚ませなくなった娘に、Cちゃんは私が育てるからと約束。その時娘の両目から涙がこぼれた。
耳だけは最期まで聞こえている。
Cちゃんの「ママ死んじゃあイヤだ―」の声が病棟に響いた。
 
それらの日々を思うと、自分が壊れそう。
友人が「誰でもひとつや二つ辛いものを持っている。だから考えてはいけない」と。
だから自分の心に蓋をした。
前を見て生きていくしかないから。
 
Cちゃんとつるし雛が私を救ってくれた。
 
Cちゃんが家を離れる日が近づくにつれて、その心の蓋が開きそうになる。
 
Cちゃんが立派に成長してくれたことが何よりもうれしい。
 
とりあえず私の手元から飛び立っていった。
娘の育て直しをしたみたい。
 
これからは自分の人生を生きよう。
心に蓋をして前を向いて生きて行こう。
読みいただきありがとうございました。
 
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