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将来、夢のある農業とは

死んだ子の年を数えるというが、まさにそれは本当。
9年前に亡くなった娘の誕生日に、義妹は花束を、息子ファミリーはみんなでお線香をあげに寄ってくれ、娘の学生時代の友人は、毎年欠かさず手紙とCちゃんに贈り物をしてくださる。
人は2度死ぬという。
2度目は忘れ去られた時だという。
野アヤメが好きだった私は、娘にアヤメと名付けたいと思った。
しかし夫が花の命は、と言って反対したので、憧れた友人の名をいただいて付けた。
アヤメにしなくて良かった、そうでなければ私は後悔し続けたに違いない。
庭から畑からあちこちに、野アヤメを夫が植えてくれて、この時期次から次に咲くアヤメ。
花瓶に挿すとよくわかるのだが、本当に1日花のよう・・・・・2日位するとなんだかみすぼらしく見える。
この花の命ははかない。
もう6月に入った。
田植が済んだ田んぼから、カエルの鳴き声が聞こえる、しかしその賑やかさが少ない。
先日国会中継を聞いていたら、「将来、夢を持てる農業」というフレーズが何回も答弁の中にあった。
嫁いだ時、義父が農業では食べていけないから、二足のワラジをはかなくていい、と言った。
だから夫と私も、本当に手がいる時以外の手は出さずにこれた。さすがに晩年の義父は「かあちゃんの手が無ければ作れない」と私の手伝いを喜んでくれたけど。
農業に夢があったなら、「農家の長男に嫁には行きたくない、行かせたくない」という風潮は無かっただろうに。
私たちの同年代の農家の独身の男性はみな、この「夢がなかった」結果ではなかろうか。
車を走らせていたら、一体の水田が休耕田になつていた。かなり広い場所があった。これを田んぼに戻すのは大変だろうな。
この頃の社会情勢を見ていると、我が国の食料は大丈夫なのだろうかと危惧してしまう。
しかし若い人たちには、そんな心配はしていないらしい。
農業に縁のない人程そう思っているのかもしれない。
戦中戦後の食糧難の時代を過ごした私たちの親は、どんなことがあっても自分の食べる米は作るようにといい残していたが、意気地のない私たちは、みんな委託に出してしまっている。
将来の農業に夢・・・・・なんて、この答弁を作った人の軽さと、口先だけで、現実を見ていないような答弁に、背筋が寒くなる思いがした。
時に先日のサミットでG7では、物が不足した時はお互いに協力するという文言があった。
食料もなのだろうか。
これが本当に可能なのだろうか、その時先進国だけが腹を満たしていられるだろうか。
テレビのCMで、飢餓の子供たちのために1日100円というのを見ると切ない。
それにしても、僅かな土地があったら、食べれるものを植えたらという提案があったけど、バカにならない話だと思う。
読みいただきありがとうございました。
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