1週間前の信濃毎日新聞の「私の声」欄に「夫が残してくれたブルーベリー畑」という投稿が載っていました。
投稿されたのは、私の亡き兄の親友の奥様でした。
ご主人は55才で退職したらブルーベリー園をやりたいと、その少し前から畑の準備を始めました。
準備とは、田んぼに木の皮を敷き詰めることでした。
当時は製材工場もしていたわが社で出た木の皮を、それはそれはたくさん運びました。
広い面積に70~80㎝位は敷いたのではないでしょうか。
10年かかった土作り、、苗木が大きくなって本当に盛りになった3年前、72才で亡くなられてしまいました。
余命を告げられたご主人から電話をいただき、会長と私は伺いました。
残すブルーベリー園をどうしたらいいか、考えられていました。
奥様に苦労を残したくなかったのでしょう。
土地を売りたい、分譲できるかと聞かれました。
えー、場所は住宅にするには最高の場所ですから、それはいいのですが・・・・。
問題は敷き詰めた木の皮でした。
死を覚悟している方の前で、とてもその事実を告げられませんでした。
検討しますね、と帰ってきました。
そしてまもなく亡くなられました。
わが社の構内の一画にブルーベリー園があります。
製材工場をやめた時、土蔵の後だけが土でした。
そこにブルーベリーを植えたのです。
その時、兄の親友であるご主人に指南を仰ぎました。
そのノウハウをお聞きしたら、これは私たちだけお聞きしたのではもったいないと言うことになり、
当社のOBのお客様にお声を掛け「ブルーベリーを植える会」を立ち上げました。
あれから12年です。
収穫する権利を差し上げます、ということでしたが、生ってみて初めてそれは不可能だということが分かりました、一斉には熟さないから。
会長が管理し収穫したものを会員の皆様を優先にし、その後当社のお客様にお届けしています。
当社のブルーベリーがとっても大粒で甘いのは、兄の親友の苗をいただいたからです。
そうしましたら、奥様が「うちのブルーベリーが大きくて甘いのは、木の皮のおかげ」とおっしゃられたのです。
だから、販売先に優先して購入してもらえるのだそうです。
投稿には、「剪定から始まり、収穫と秋の木の手入れを、夫の親戚や私の友人、シルバーセンターの方、実を加工するジャム工場の社長さんなど大勢の人に助けられて仕事をしています。」
とありました。
本当によかったです。
ご主人の夢をつないで、ブルーベリー園をこれからも作り続けていく決意が書かれていたからです。
ご主人より一足先に逝った兄に、ずっと最後まで寄り添ってくれたのは、この方と同級生の皆さんでした。
私はそれがとてもありがたかったのです。
2人はいなくなりましたが、その形見のようなブルーベリーが今年も収穫を終えました。
お読みいただきありがとうございました。
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