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体内被曝

この頃読書と言えば、過去の「暮しの手帖」です。

読み尽くすのにだいぶ先が見えてきましたが、その当時読まなかったのか、読んでも心に留めおかなかったことがいっぱいあります。

2004年9号です。全然記憶にありませんでした。

この頃の暮しの手帖はそれ以前とガラッと変わったと言われていた時代でした。

その当時はその変化になじめませんでした。

正直、自分の生活も仕事も家庭も大忙しの頃でしたから、購入したものの、たちまち2ケ月が経ち次号と言うことだったのかもしれません。

2004年9号に編集者 尾形道夫さんが「編集室から⑤」で、映画「ヒバクシャ」世界の終わりにと鎌仲ひとみ監督

という文章を載せられていました。

以下引用させていただきます。

劣化ウラン弾をご存じですか。この兵器の害を、日本で初めて告発したのが、これからご紹介する「ヒバクシャ」という映画です。

・・・・中略・・・

映画の背景を少し

広島や長崎で原爆の直撃を受けた人たちは、身体の外から強烈な放射能を浴びました。これを体外被曝といいます。

それに対して、この映画でいうヒバクは、空気中にとびちった放射能を含む微粒子を吸い込んだり、その微粒子にまみれた水や食べ物をからだ内部に取り込んだことで起きる体内被曝です。

これまで高レベルの体外被曝は研究もされ、援助の対象にもなりましたが、体内被曝についてはほとんど無視され続け、その放射能が低レベルならまったく危険はないというのが、アメリカの公式見解でした。

そうしてアメリカは91年の湾岸戦争から、積極的に劣化ウラン弾をつかい始めたのです。

この劣化ウラン弾は、史上最悪のリサイクル商品です。

採掘されたばかりの天然ウランに、原子力発電に必要なU235は、わずか0.7パーセントしか含まれていません。

そこで濃縮に濃縮を重ねます。その時出る膨大な残りかすが劣化ウランですが、これにはU238という放射線を出す物質が、たくさん入っているのです。

もうひとつ、原子炉の使用済み核燃料から出る劣化ウランもあります。

U238の半減期は45億年といわれていますから、ほぼ永久に保管しなくてはなりません。

そこで、アメリカは、大量に蓄積された劣化ウランを減らすため、リサイクルとしてミサイルや戦車用砲弾という兵器への転用を考えたのです。

・・・・以上引用終わりです・・・・

これが書かれたのは2004年です。

アメリカはその後もずっと、戦争をしていました。

つい最近、アフガンからの撤退を今年の9.11までに済ませると発表がふりました。

アメリカが9.11の仕返しに戦争を始めた頃に「劣化ウラン弾」の言葉が入ったニュースを聞きました。

でも次第に慣れっこになって、他人事で聞き流していました。

ウランという言葉が入っていたのに、まさかこんな兵器だったとは。

使用済み核燃料だって、世界中みんな困っているのですから、それをよその国にばらまいたといっても過言ではありませんね。劣化ウランは鉄の2.5倍の比重があり、これを使うと破壊力が凄いのだそうです。

ヨーロッパ放射線障害委員会は体内被曝には、これ以下なら安全という数値はないと言っています。

広島、長崎においてもあったでしょう。

アメリカが劣化ウランを使った国々では、この体内被曝が続いていくでしょう。

これが書かれたのは2004年、我が国は2011年3月11日の地震、そして福島の東電の原子力発電事故による放射能汚染に直面し続けています。

考えなければならないことがいっぱいです。

温暖化防止のために、ここでまたどんな舵がきられるのでしょうか。

政府云々の前に私たち一人ひとりの生活の仕方を変えなければ何も変わりません。

高度成長時代以降、私たちは地球に対して謙虚に生きることを忘れていたのかもしれません。

お読みいただきありがとうございました。

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