昨日の朝6時のNHKのラジオから流れてきたのは、中国で猿のクローンが生まれたというニュースだった。
一瞬先日読んだ、ノーベル賞作家のカズオ・イシグロ氏の「わたしを離さないで」が心をよぎった。
この小説は「臓器目的」のために生まれてきた子供たちの話である。
ニュースを聞きながら、ノーベル賞は、人類が踏み込んではいけないことに警鐘したのかもしれない、と思えたのだった。
過去に日本の作家の作品に、臓器目的のために、自分の子供を育てた・・・・育てたというのと違うはね・・・・産ませたんだわね。親子の情愛なんて発生しない仕組みになっていた。
それも人類に対しての警鐘だと思った。読み終えるのに苦労した思いがある。あまりにも重いテーマだったから。
人間のクローンは禁止されている。
医療や科学のさらにの発展は、臓器移植の方に進むだろう。不老長寿は古来からの人間の願いだから。
自分の身内の命となれば、誰しも移植を否定はしないだろう。
海外で移植のための人身売買があるという、嘘か本当かわからない、怖い話を聞いたことがある。
今朝26日の信濃毎日新聞の斜面を読んで、やはりイシグロ氏の「わたしを離さないで」を思い浮かべた方がいたのだと知った。
遺伝子技術で育てられたクローン。大人になれば臓器を提供させられるのだ。そのための施設で生まれた目的が臓器提供のためと教え続けられていくのだ。
それでもクローンとはいえ、人の心を持っている。
イシグロ氏がこの作品を生み出したのは1990年代。クローンの羊が誕生し、世界中でさまざまな議論がされた頃である。
今回の猿のクローン、かなり完成度が高そうだ。
人類にとって、人としての倫理の分岐点に立ったと思ったのだった。
依田 美恵子 軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家 <div align="center"> <strong> 【 中島木材のホームページは <a href="http://www.nakajima-sc.com/" target="_blank">こちら</a> 】 </strong> </div>
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