週末の2日間、時間を見つけては・・・・作っては、「つるし雛」の仕上げです。なんとしても完成させたい・・・・娘の命日にはといきこんでいます。
ちーちゃんのために、大つるしが完成したのは昨年の初夏のことでした。
それを見たちーちゃんが「ママの分も作って」と言いました。
奮起すること1年です。8割方は昨年の内にできていたのですが、残りの2割は先生の手を借りないとできなかったのです。
その合間には、「干支」や「鯉のぼり」も入れたので、ようやく完成です。
紐につるしてバランスをとつて縫い付けていきます。最後の一番下の列・・・・どうやって止めるのかがわかりません。
先生の作品を見ているはずなのに・・・・全然見ていないのですね。次の教室まで持越しです。
そしてこの時点で気が付きました、袋を縫わなくてはいけないことに。
大つるしは9本の紐に雛を縫いつけています。それをいっしょくたにすると絡まってしまいますから、1本ごとに袋に入れて移動したり収納するのです。
その袋を9枚着物地を使って、チクチクと返し針で縫います。ミシンはとっくに断捨離済みです・・・・壊れていました・・・・。
マチ針を打っただけで、おおよその感覚で縫います。
中学生の時、夏休みの作品展に出す、枕カバーを縫ったことを思い出しました。
母が丁寧にマチ針を打ってくれたのに、勢いよくミシンを踏んだ私に、マチ針の意味がないと言った母。
その母は「本を読む女は裁縫ができない」と嘆いたのでした。
たしかに・・・・。母にしてみれば、まだ裁縫が必要だと思われた時代に、嫁に出す娘が裁縫もできないのではと案じたのでしょう。
まさしく裁縫よりは本が好きだった私です。
そんなことを思い出していたら、もっとすごいことに気が付いてしまいました。
断捨離を続けていて、身の廻りの物を減らしてきたのに、今どんどんと増えている私の「つるし雛」です。
まあ、私より愛着のある人はいないわけですから、私が居なくなった時は処分すれば済むことなのですが・・・・。
でも、このつるし雛をちーちゃんがお嫁に行く時持っていくとしたら・・・・今縫っているこの袋も人の目に触れるということなんですね。
う~ん、とうなってしまいました(笑)
最近、着物をほどくときに、先人の縫った手仕事にほれぼれとするのです。これをほどけば、絶対に元に戻せないって思います。
だから、針仕事を仕込まれたのですね。誰にみられても恥ずかしくないように。
しばらく前から断捨離を始めている会長の家から、今朝みゆきさんが押入れの奥から出てきましたと、炬燵布団の上掛け2枚とと、下掛けを3枚会社に持ってきました。
それこそ母の手仕事です。
上掛けは、布と毛糸を織り機で織った物を仕立てた物でした。織ったのはたぶん東のおばさんのはずです。きれいな配色で半世紀も前とも思えません。
それを上掛けに仕立てたのは母です。私のところにも1枚来ています。私の学生時代のワンピースが縁取りに使われていて、思い出も絡んでなかなか解体が出来ないでいます。
これで食堂のイスの座布団を作りたいと思っているのですが。
会長の家は新宅でしたから、下掛けまでが行っていたのでしょうね。
その素敵な上掛けは、手仕事をしている姪にとなりました。
下掛けは・・・・私に・・・・が一番でしょうと、いただくことにしました。
昼休みにお洗濯をして干しながら、懐かしい母の針目を眺めました。
90歳まで針を持ち続けた母でしたが、この下掛け、新しい布ではありませんが、母なりに意匠を凝らしていました。 そうなんです、だれに見られても恥ずかしくない仕事がしてありました。全面を揃った縫い目で埋めています。
かぎ裂きのあったところには、丁寧な補修が見えます。気力が充実していた50代の仕事なのでしょう。
これをどう使おうか・・・・、しばらくは私の縫い物部屋の壁にでも飾りましようか。
これを見て、少しでも丁寧な仕事をするようにと。
でもわかるんです私、自分が不器用だということが。
母に心配されていましたが、幸いにも自分で仕立てなくても衣類が間に合う時代になって本当によかったと思っています(笑) 依田 美恵子 軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家 <div align="center"> <strong> 【 中島木材のホームページは <a href="http://www.nakajima-sc.com/" target="_blank">こちら</a> 】 </strong> </div>
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