本当に久しぶりの太陽にうれしくなってしまう。窓拭きどころではない。畑に「ペチヤ豆」のカラビを取りに行く。
いつもならもっと早くの仕事なのだけど、雨と行事で延び延びだったのである。
このところお休みに「つるし雛」にハマっていたから、野良仕事をしなかったツケがこんな形で出てくるのだった。
夫は助っ人の出現で、自分はネギの草むしりをしていた。雨で草ばかりは元気である。
3時間半でようやく一回りのカラビが取れた。これを1週間おきに繰り返す。日なたに干して殻を乾燥させて中身を取り出すのである。
なにかと手がかかるものである。
昨年友人たちと味噌仕入れをしたが、その時の大豆の値段が1キロ300円だった。前年の豆だということだつたが、その安価に驚いたものだった。
購買者は安ければいいに決まっているが、生産者の労苦が分かると、その価格はあるまいと思えたのだった。
種を蒔き、植えつけして何度かの草取り、そして乾燥させて、こいて、さらに選別をしてと、その対価に労働力が入る余地がない価格である。
我が家の大豆も今年はできが良くないと言う。黒豆はほとんどだめだったらしい。農業2年目であるから、いろんな失敗を積み重ねる。
先日一族の先祖祭の席で、前に座った「ルーマニヤからきたお嫁さん」年齢はまだ30代であるが、こちらは農業一筋である。
その彼女に「人参」の作り方のレクチャーを受けた夫である。昨年我が家の人参の9割は割れたのである。
彼女によると、蒔いてから90日後が収穫の適時らしい。ところが我が家はそれよりもさらに40日も長かったのである。
そうならば今年の収穫は少なくとも来月早々のはず。
野菜や果物を出荷している彼女はとても研究熱心で教わることばかりである。
何年か前、種を蒔いた後、すぐ水をくれると、種がびっくりしてしまうから、翌日にと教えてもらったことがあった。我が家に帰って父にそう話したら首を傾げていたが、なんとなく胸に落ちた私である。
我が家の農業、作れば作るほど赤字なのだそうだ。食の安全を考えなかったら、こんな苦労をしないで、今日はこちら、明日はあちらと老後を楽しむ時間も少しはあるだろうにと思うこともある。
しかし試行錯誤の夫の畑仕事で我が家の食卓がとても豊かであることはいうまでもない。
おかげで保存食までできた(笑)
それではまた。
依田 美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家
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