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思い出の断捨離

 週末ちーちゃんパパは実家へ出かけ、ちーちゃんはお友達と遊ぶ約束があってお留守番になりました。

 お友達の家にはお弁当持参です。肉団子のクリームトマトソース煮込みが希望です。付け合せはブロッコリーがいいそうです。あいにくですが・・・・冷蔵庫にはありません。

 彩りの悪いのはカラフルの楊枝でカバーするあたり、ちーちゃん上手です。

 ちーちゃんをお友達の家に送ったあと、懸案事項の一つになっている着物をほどくことにしました。

 桜の地紋のピンクの羽織です。裾にかけてグランデーションで色が濃くなっていきます。

 長いこと着物の仕立てを見ることもなく、無造作にほどき始めたものの心が痛みます。私にこれをもとの状態に縫い直す技量はありません。

 こうして技術的文化も消えていくのだと感慨しきりです。その内縫える人はいなくなるだろうとあらためて思ったのでした。

 私の着物の多くは母と母の姉が縫ってくれました。その頃はまだ仕立てをしている方が結構いました。

 いまあまりお聞きしませんが呉服屋さんは専属の方を抱えているのでしょうね。

 この羽織、新婚旅行から帰った後の里帰りで着たわ、とその日のことがまざまざと思い浮かびます。

 10日振りで会った2歳の甥っ子が「みーこちゃん」と私に飛びつきました。あー、そのお手てて・・・・と思いましたが間に合いませんでした。

 そうそうと肩の当りとひろげてみれば、そのかわいい手形のごとく染みになっていました。

 2度目は親戚の初節句のお祝いでした。

 それ以来タンスのこやしです。

 1枚の着物から思い出が次々と浮かんできます。胸の痛みを感じつつほどいたのでした。

 つるし雛の材料にして、日の目をみせることにしましょう。

 そして午後、写真の整理です。自分専用のアルバムをひっぱりだしました。

 幸いというか、15歳で火災にあってそれ以前の写真はありません。

 古いアルバムはカッターナイフで台紙と共にはぎとります。同じ物や同じように見える物や、自分が写っていないもの・・・・などなどを取り除いて、差し込み式の簡単アルバムに保存していきます。

 深く考えないで進めます。

 50年前の写真・・・・人はともかく背景の変化がすごいですね。

 たぶん1度ではすまない作業です。10冊程のアルバムがこじんまりしました。

 マメな夫は子供も孫の分もそれぞれ一人ずつのアルバムを作っています。旅行のアルバムは山ほどありますがこれらは私の管轄外です。

 こちらは優雅な日々になった時に見ることにしましょう。

 少しずつ思い出の品にも手が付くようになってきました。
                                 依田 美恵子

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