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世界は今年の年間予算を使い果たした!

 「エルネオス」は高校の1つ先輩の市村直幸氏が編集・発行人をしている冊子である。
5月の東京での同窓会に出席した折、初めておあいしたのだが、実はかなり前からメル友である。

 その彼から贈呈として冊子が届いた。あまりにおもしろいというか、まさにレアでためになる世の中の事情本で、さっそく
購読の手続きを取った。

 ところが相変わらず贈呈が続いている。メールも送ったのだが、忙しいんだなあー、と甘えている。

 もちろん購読者が増えるように回しているけれども。

 病院からの電車の中で乗り越ししないように、この冊子を持ち歩いていた。新幹線なら12分座れば睡魔に襲われる日々には、読み切りの記事はおあつらえだった。

 その9月号の巻頭の記事は衝撃だった。

 「世界は今年の年間予算を使い果たした!」 幸せ経済社会研究所所長 の枝廣淳子氏のエッセーである。

 引用します。
 皆さんの会社や家庭が8月19日の時点で、今年1年分の収入を全部使い果たしたとしたら、どうなるでしょうか?

 残りの日々を、貯金を切り崩すか、借金をして暮らすしかありません。ましてや、毎年そんなことを繰り返していたら、貯金は底を突き、借金もできなくなり、暮らしていけなくなるでしょう。企業であれば倒産して今います。

 ところが、毎年、年末までまだ4ケ月以上ある時点で年間収入を使い果たすという、到底、持続不可能なことを重ねているのが、私たち人間の経済です。

 米国のグローバル・フットプリント・ネットワークが8月19日、この日が今年の『地球の自然予算を使い果たした日』と発表しました。

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以下要約 
 地球が1年間に提供できる二酸化炭素には限りがあります。

 人間の歴史のほとんどの時間、私たちは、地球の予算に十分収まるペースで、自然の資源や生態系サービスを使ってきました。

 ところが1970年代のある時点で、人間の求める需要は、地球が持続可能な生産量を上回りはじめ、私たちは生態学的に行き過ぎの状態に入ったのです。

 魚や木などの資源ストックを枯渇させ、大気中や海洋中に二酸化炭素などの排出物を蓄積させるという負荷をかけて、過去の遺産を食いつぶし、未来からの前借りする「赤字暮らし」をしているのです。

 数年前の赤字転落日は10月頃でしたが、1昨年は8月22日、今年は3日も早くなっています。

 問題はこんなに大変な事態なのに、その現状が問題を引き起こし、悪化させている当の「経済」にかかわる意思決定に、これがほとんどフィードバックされていないことであり、そうしたフィードバックを創ることを含め、手をうつためのカスバナンスの仕組みが欠如していることです。

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私の思い

 こんなに明確な数字に驚きました。1970年代から生活は格段に向上しました。

 物に支配された年代はまさしく私たちの年代以後でしょうか。

 地球が悲鳴をあげはじめているのですね。
 
 この頃の災害は異常です。それが地球上いたるところで起きています。

 私たちの問題ではなく、未来の人々の問題でもあるのです。

 今朝の新聞で世界120ケ国が集まって地球温暖化の対策の会議が開かれる記事がありました。
 
 人類が本当に戦わなければならない相手は、私たち自身ではないでしょうか。

 一方空爆のニュースを聞きながら、人間はなんて愚かな生き物なのだろうと、暗い気持ちになりました。

 未来の子供たちに私たちは何を残してあげられるのでしょうか。

 そして私たちは何をしたらいいのでしょうか。それを教えてほしいのです。

                                      依田美恵子

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