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安曇野市の取組・・・赤松の更新伐

 こんなところも枯れているのとびっくりしましたら、そこは紅葉の始まりでした。

 赤松の木の枯れが急速に増えています。

 名所旧跡などの場所でも枯れているのを見かけます。

 大木のほうが被害に会いやすいと聞いていましたが、スラーッとした木が集団で枯れているのも目にします。

 植林して増やし過ぎたということでしょうか。地球の温暖化で虫の北上が進んだせいでしょうか。

 今年は当たり年と言われているマツタケの生産量が長野は日本一という、テレビのニュースを聞きながら、将来この美味を残せるかと心配したのでした。


 枯れた被害木はカットされくん蒸され、半年ほどシートにくるまれているのも、よく目にするようになりましたが、この作業は後手後手のことですから、拡大を遅らせることはできても、根治することはできません。

 自然の力のほうが絶対的ですから。

 「長野の林業」の25年9月号に、目新しい記事がでていました。
私も初めて知りましたのでご紹介します。

 安曇野市明科地域の取組です。
 
 近年松くい虫被害が深刻な問題になり、伐倒くん蒸処理だけでは、虫食い虫被害を減少させることは困難な状況になった。

 それを打破すべく、安曇野市では

①地域での防除体制づくり(協議会の設置)

②守るべき松林での的確な防除(薬剤散布・伐倒処理)

③森林の健全化の推進(樹種転換・更新伐)

④被害僕を含めた伐採木の活用

⑤被害予防対策の普及啓発(講習会等)


 この中で新たな取組は

 市が事業主体となり更新伐を進めるということです。

 通常の森林整備ならば木材の販売代金で自己負担金を補うことができるが、枯損木が多数を占める赤松の被害林では、木材の販売代金による収入が見込めないため、事業実施が困難。

 そこで実施の条件として、被害木が健全林を上回る林分において、市が事業主体となって実施することにした。

 24年度には10ヘクタールの更新伐を実施。約7割が木質バイオマス発電用にストック、2割が合板工場(未被害木)残りは薪。
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 更新伐ができるようになったのは、ひとえに木質バイオマスができるようになった国の政策にるところが大きいと思います。

 合板工場も国内の木を使う方向にシフトしていますから、うまい方向がかさなってきたということでしょう。

 一番は地域が一体となって里山づくりに取り組み始めたということかもしれません。

 私が一番びっくりしたのは、更新伐とは、現在の森林とは違う森林(樹種)へ転換するための伐採方法です・・・この文でした。

 松枯れを止めるには、もうこの方法しかないのか、と思ったのでした。

 荒廃した里山を再生させるために、今後は広葉樹林を育てるための施業も重要で、明科地区では、伐採後1年間ほど自然発生する高木性広葉樹の生育状況を確認し、適地適木により、必要に応じて植栽する方向。

 広葉樹かあー、と微妙な心境になるのは、今まで木に携わってきた私たちのような人かもしれません。

 しかし何十年も、生育しても使われることなく朽ちていったたくさんの木を見てきただけに、納得もしてしまうのでした。

 この国か本格的に自国の木と向き合わなければならない時が来たのではないでしょうか。

                              依田美恵子

軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家

 
                          
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