もう旅行記は閉じるわ、と書きましたが、もう少し。
40数年前でしょうか、テレビドラマの悲恋物語でアンコールワツトも舞台になったことがありました。女優さんの顔は覚えているのに名が思い出せません。たしか美那子さんという下の名の方だつたような。
そのテレビドラマの筋書きを無視して、アンコール・ワットに釘づけになった私です。
いつか本物を見たい・・・しかし戦争から内戦になり、観光どころではない長い月日が続きました。
前回は観光目的ではなく、思いがけない「おまけ」みたいにアンコール・ワツトとアンコール・トム観光がつきました。
この2つを慌ただしく駆け足でみましたが、その第一印象は「こんなに小さいものだつたのか」でした。
今回見て「小さくないわー」とあらためて思いましたが。
7年前より修復も進んでいましたが、でも今回まわった中でも、修復には程遠いところが数多くありました。たしか地震はないと聞いてはいますが、今にも崩れ落ちるのではないかと思われる遺跡もありました。
なんたって石ですから。
遺跡につかわれている石も加工しやすい砂岩の他に、赤い石も使われています。この赤い石は彫り物には適さないのだそうです。その石と同じ色の砂が道路に敷いてあります。赤い大地です。
これはこの国だけではなく、この頃のアルジェリアのテレビ映像にも写っていました。
よくテレビで写されますが、寺院の遺跡にガジュマルの木が根をはっている姿。タ・プロム寺院です。この寺院はこれを目玉にするようで、発見された当時のまま修復をしないようです。それでも周囲の木はかなり切り倒してありました。
寺院の中も崩れた石がごろごろで、「ところでこれが破壊されたのはいつの頃」ととっても気になるのでした。宗教の変遷もあり、顔などが破壊もされているのですが、まさかまさか我が国だったりしてと質問もはばかれたのでした。
東洋のモナリザの彫像があるのは「バンテアイ・スレイ」この寺院はこじんまりとしたヒウドゥー教寺院です。
損傷が少なく、彫刻がきれいに残っています。クメール彫刻の最高傑作があるということで、ご案内いただいているのですが、見るだけで、記憶に残っていません。
でもさすが「東洋のモナリザ」だけはよくみてきました。フランスの作家が自分のためにだけ微笑んでもらいたいと盗みだしたのだとか。そんなエピソードがあると真剣にみてしまうのでした。
遺跡から朝日と夕日を眺めるのもツアーの売りのようで・・・・。
夕日が沈むのが見れました。でもそうそうに階段を下りましたよ。暗くなると足元が心配ですもの。ところであの寺院の名は?
翌朝は早起きしてアンコール・ワットの背から上がってくる朝日を見に行きました。
それにしてもすごい数の人です。寺院とそれを写すお堀、そこに咲くピンクのハス。夜明け前周囲の密林から、聞いたことのない鳥の声も聞こえます。
その密林の上から日が登ってきました。空が黄色く輝やきましたが、ドラマチックな場面にはなりませんでした。それを見るならば春分の日か秋分の日かその前後を狙うべきでしょう。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家