用事で伺ったお家は築25年のお金を十分かけられただろうと思われる立派なお宅だった。
チャイムを鳴らしたら奥様が居間から顔を出されて、「こっちよ」と手招かれた。
長いお付き合いだが、自宅に伺ったことがなかったので、ひとしきりのご挨拶の後、「お元気そうで何よりですね」と言葉を重ねたが。
それがねえとここしばらくの健康の話になった。長く入院されてたという。
冷えが一番いけなかったとのこと。スリッパがきらいでねえ・・・・と。
築25年・・・・家を建てた時期としては微妙なんだなあ。
入母屋で木で出来てます風に外観にお金をかければ「いい家」だった時代だから、床下は風がヒューヒューなんだろうな。
年を重ねると家の中で過ごす時間が圧倒的に増える。
なんだか身につまされてしまった。
住みごこちのいい家を選ばなければ、家は凶器になるんだあ。
今日もダイレクトメールが届く。言葉だけはとっても立派だけど、どうして?こうなるのという説明は一切ないのに、これを取り入れたら何十棟も受注できましたあ、とまるでこれおとりまがい。
受注できればなんでもいいというレベルの話ではないか、と悲しくなった。
エコだ省エネだスマートだと、耳障りのいい言葉が飛び交う時代になった。
それがおサイフにやさしく見えるかもしれないとしても、本当に人にやさしいとはかぎらない。高い安いは支払った金額に値するかどうかで判断しなければならない。
真摯に住む人の幸せを願う家づくりをする人に出会って欲しいと、消費税の値上げ前に建てたいと動き始めた人たちのために願う。
それにしても結露やらヒートショックの心配やらと悩む人がまだまだ生まれているのは悲しいことだ。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家