暮のご挨拶に2軒のお宅にお伺いした。太陽も出ずいまにも小雪が舞いそうな寒い日ではあったが、2軒とも居間以外は「寒~い」状態であった。
1軒のお宅は新築する際に、今時の住宅はこういう状態なのでどうですか、とアドバイスをした。12~13年前である。もちろん私がお仕事させていただける商圏ではないから。
しかし建てられたお宅は大工さんが昔ながらに建てた家で、窓はアルミのシングルである。断熱材はグラスウールで当然気密はとれていない。
奥様の背で石油ストーブを焚いてはいるのだが、ソファーに座っていると足元とスカーフを巻いていても首筋がスースーする。
一人暮らしの80代の奥様は、寒いと朝起きるのも億劫でとおっしゃる。無理からぬことである。
健康で長く在宅できるには、温度差のない住まいが一番必要なのだと思う。
築30年を越える我が家もインプラスを付けた分ここまでは寒くない。住んでいる人数も違うし。
おまけに、我が社の事務所は日本一の快適性を持つ。常春状態であるから薄着は日常のこと。
我が社で建てられたお客様がよその家を訪問する時は、脱がなくてもいい厚めの上着を着用するのだと、よくよく聞いていたのに・・・・。
その夜用事があった公共施設の窓際でも震えていた。天井が高い分いっそう寒い。公共施設だって外断熱にして、こんなに窓を大きくしなければ、快適性と燃費はとてもよくなるだろうにと思ったものである。
家は器だけではないと知って欲しい。住みごこちが大切なのである。
本当みんな遅れてい~ると思った日である。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家