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14年前の新聞記事から

我が家には味噌部屋と呼ばれる部屋がある。味噌部屋とは名ばかりで、昨今の住宅は築30年でもかなり暖かいから、本物の味噌部屋なるものは屋外に別にある。

 今は果実酒や梅漬けなど自家製の貯蔵庫として使ったり、日頃使わない調理器具などを置いている。

 暮の掃除はいよいよその味噌部屋に突入。棚に敷いてある新聞紙を変えようとしてみたら、なんと平成10年12月のものだった。長いこと変えていなかったのだと我ながら感心したものである。

 字があれば何でも読んでしまうという奇癖のある私は、ついついその全国農協新聞の記事に没頭してしまったのである。

 「田舎のヒロイン日記」福井県在住の肉牛農家の山崎洋子さんが「健康保険」について書いていた物である。

 1人あたりの健康保険の医療費負担額がかなり高額になっている。若い日々は医者通いはひとごとだった。お医者さんのはしごをしているなんて、と世間話できいたこともあった。

 だが今、健康保険がどれだけありがたいかが実感できるようになった。長年使ってきた体がそろそろ悲鳴をあげはじめてきたからである。

 そんな思いから山崎さんの文章は「本当にその通り」と相槌を打たせてくれた。
14年前、私も他の方も「世の中がこうなる」とは思っていなかっただろうから・・・。

以下引用

 韓国の農村を訪ねた時

 食べ物・・・キムチは単なる漬物ではなく、大根や白菜だけでなくあらゆる野菜や魚までキムチにする。野菜をふんだんに取り入れたキムチを中心に普段から家族の健康を維持することが主眼となっている。

 民間療法が生きている。自分たちで治せる病気やケガに対しては、昔から伝わるお年寄りの知恵や身の回りにある植物や自然から生きる知恵を学び大切にしている。
(私の小さい頃野山で手を切れば蓬をもんで止血したものね。)

 ところが日本では。
 病気にかからないように生活するのではなく、病気になるまで働き通し、健康に生きるための生活をするということを忘れてしまった。

 病気にかかっても自らの免疫抵抗力を高め、自分で治そうという努力をしない、何かあればすぐに病院。

 人生の知恵の一杯詰まったはずのお年寄りでさえ病院へ直行する。(あ~あ耳が痛い~)

 はやくから健康保険の整備された日本では、農業を切捨て病気にかからないための工夫と努力を捨て去り、健康で生きることを根底から放棄してしまって、保険に頼り、安易に病院や薬を利用するようになった。

 健康保険制度のない時代が長かった韓国では、人々は自分の健康を守るため、体にいい食べ物を暮らしの中から必死に求めてきた。

 それはつまり貧しかったから、日韓の健康に対する最大の違いは、お金のかかる健康保険があるかないかの違いだということに気がついた。

 どんなにすばらしい制度でも、それを使う一人ひとりの人間が心して使わなければ制度そのものがマヒしてしまう。

以上引用です。

___________________

 当時から14年、今の韓国もこの通りだろうかと危惧してしまう。

 体は食べた物でできているという根源が忘れられていると思う。人は何のために生きるに通じることかもしれないが、本当に多くの人が何のために働いているのだろう。

 物のためなのだろうか・・・・。

 パンチがきいた文章だ。

 この文章はさらに「行き着く先は臓器移植」と警告をしている。
 豊かさの落とし穴・・・日本人が心身共に不健康な坂を転げ落ちて上に、さらに莫大な医療負担が私たちを待ち受けている。

 山崎さんの文章の中には引用した以外にも、まだ問題点が提起されている。

 日々の暮らしを大切に・・・次世代のためにも。

 
                    依田美恵子

軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家

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