厚生年金基金の財政悪化の話がいよいよ行き着くところにきたなと思わせるニュースが耳に入った。
長野県の建設業の年金基金はそれ以前から、大きな問題を抱えていたから脱退したいという組合員の話も早くから話題になっていた。
将来のリスクを考えれば早くに脱退したいと思うのはよく分かる。
この基金が出来た頃の日本は日が昇るような勢いだったから、現在のような経済状態になるなんて思いもよらなかったのかもしれない。
しかしその可能性の兆候はでていたはず・・・・・。
統計で人口減少は叫ばれていたはず、高齢化の予測もされていたはず。
企業30年という説もあるし、企業の年齢構成を見ても掛け手と貰い手のバランスは想像がつくものではないか。
赤信号みんなで渡れば恐くない、とばかりに自分の内情は別として協同(共同)ならば大船に乗った気分で・・・・とばかりにみんな乗ったのね。
その恐さは連帯ということ・・・・。
年金基金制度の廃止の議論がだされている。脱退希望の企業も続出しているが、その仕組みが半端でないようだ。
最終的に国の厚生年金の保険料で穴埋めする方針らしい・・・・これが行き着くところ・・・・だと思ったこと。
自分が納めた年金が自分のために残っていると信じていた若かりし日・・・・・それがそんな訳ではない仕組みに唖然としたは20数年前。
現役世代へのサービスとばかりに、各地にできた豪華な保養施設。こんなプランを作った人が人口予測を気にしなかったなんて信じられない。
基金は年金の上乗せである。それを厚生年金の保険料で・・・・みんなでちょっとずつ担うということに・・・・抵抗を感じる人は多いはず。
20数年前、この年金基金を導入したいという我が業界の計画に、将来性が見えないから当社の参加は無理とお断りした。
組合組織の中で組織が決めたことだから断われないと・・・・再度の勧誘にみえた方に私の御社の本音はどうなのですかの問いに、そう答えられた。
どこの業界組織もそんなものではなかっただろうか。
その勧誘にもどうしても参加できないとお断りし、今となれば幸いにも我が業界は、その制度の導入を見送った。
しがらみの無い経理担当だから、ノーと言えたのかもしれない。でもそれが結果的には業界のためになったことは事実であると思う。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家