‟モルタル"は、建築材料の中でも人気な材料のひとつ。
よく耳にする言葉ではありますが、
「コンクリートと何が違うのか」「どんな性質の材料なのか」「どこに使うことができるのか」など、
理解している方はあまりいないのではないでしょうか。
今回は、そんなモルタルについてご紹介いたします。
モルタルとは?
まず、モルタルとは「セメント + 砂(細骨材) + 水」を混ぜ合わせた建築材料のことです。
ここでの砂 (細骨材) とは、直径5mm以下の小さいものを指します。
ベースとなる粉末状のセメントは、水と混ぜることでペースト状になり、時間が経つと固まるという特徴があります。
セメントは固まる時に熱くなるのですが、その熱によって表面が乾燥したり、
ひび割れが起きやすくなってしまいます。
しかし砂を混ぜることによって、セメントの量を最小限にし、発熱を減らすことができます。
さらにはセメントの一部を砂に置き換えることで、コストを減らすことできるという利点もあります。
▷モルタルの用途
仕上げ材
モルタルはきめ細やかな柔らかい素材なので、主に壁や床の「仕上げ材」として使われます。
コテできれいに伸ばしたり、あえて塗りムラを表現したり・・・など、
色々なパターンで仕上げることができます。家具の天板や什器の仕上げなどに使われることもあります。
目地材
粘着力が高いため、タイルを貼ったり、レンガを積んだりするときの「目地材」としても使われています。
下地材
つるっとした平滑な面をつくることができるので、塗装やクロスを貼る前の下地材として使われることもあります。
▷コンクリートとの違い
「モルタル」と「コンクリート」の大きな違いは「材料」と「使用用途」です。
その違いは「砂利(粗骨材) が含まれているかどうか」によって生まれます。
コンクリートの材料は「セメント + 砂(細骨材) + 砂利(粗骨材) +水」、
つまりモルタルに砂利(粗骨材)を加えたものになります。
コンクリートに含まれる砂利がセメントと結びつくことで、モルタルよりもひび割れに強いという特徴があります。
これに鉄筋を入れると「鉄筋コンクリート」となり、建物の柱や梁、壁などの構造体として使われます。
砂利が入ることで、モルタルよりもザラザラとした質感で無骨な印象となります。
メリット
1.デザイン性が高い
何よりもデザイン性の高さが人気の秘訣です!
どんな空間にも馴染みやすく、お洒落に仕上がる万能な材料です。
仕上げ方一つでモダンな印象になったり、優しい雰囲気になったりなど、印象がガラリと変わります。
2.耐火性がある
モルタルは原料がセメントと砂でできているため、燃えにくいという特徴があります。
そのため都市部の外壁などに必要とされる「耐火構造」や「防火構造」としても認められています。
3.比較的安価でできる
コストを抑えられるというのもメリットの一つです。
モルタルは材料費が安いので、床をタイルにしたり、フローリングにしたりするよりも安く施工することができます。
ただし塗りのパターンにこだわったり、無収縮モルタルや樹脂モルタルなどの
高性能なモルタルを使う場合にはコストが高くなることもあります。
デメリット
1.ひび割れがしやすい
セメントの一部を砂に置き換えているモルタルですが、どうしてもひび割れのリスクは避けられません。
表面の割れはそこまで問題ではありませんが、外壁に大きなひび割れができた場合には壁の中に雨水が侵入し、
劣化や雨漏りの原因になることもあります。
2.定期的なメンテナンスが必要
ひび割れによる劣化や、汚れ、カビを防ぐためには定期的なメンテナンスが必要です。
10年に一度くらいの頻度で、施工業者に現地を見てもらい、補修や塗り替えなどのメンテナンスをしてもらうことをおすすめします。
まとめ
今回は、モルタルの特徴や施工事例について紹介いたしました。
デザインの良し悪しだけでなく、特性やメリット・デメリットを理解した上で素材を選ぶことが、
家づくりおいてとても大切になります◊
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