施工前のバルコニーです。
こちらのお住まいでは一般的なサイズよりも大きく広いバルコニーを取り付けられておりました。経年劣化による色褪せやササクレが目立ちます。「台風によって柱に亀裂が入ってしまった」との連絡を受け拝見したところ、原因は単なる強風だけによるものではないことがわかりました。
バルコニー床下部分です。①
バルコニーが破損した大きな原因は、この白い部分。実はこれは『腐朽菌』と呼ばれるカビの一種なんです。このカビが木材を侵食し強度を落としてしまうのです。表面的には白くなっていない部分も、やはり浸食は進んでいます。
バルコニー床下部分です。②
床板を支える根太にも大きく亀裂が入ってしまっています。このままではいつ床が崩れ落ちるかわからない危険な状態です。亀裂はバルコニーを支える柱にも入ってしまっておりました。放っておくと大事故に繋がりかねません。
解体した木材です。
腐朽菌によって腐食した柱は表面だけでなく中の方まで白く腐食していることがわかります。ご主人にみていただくと、「こんなになってしまっていたなんて…危なかった」と驚かれておりました。腐朽菌に侵された木材は、手で触るととても軽く、ホロホロと繊維状に簡単に崩れてしまいました。バルコニーはご夫婦はもちろん、ワンちゃんが外を眺める憩いの場だということで、皆様にお怪我がなく本当によかったと感じました。
新しいバルコニーで使う材料です。
こちらの床材は木粉と樹脂が50:50で配合されています。表面だけ見れば木材と限りなく近い見た目です。昔はこういった素材はなく、木の素材感を出すことができませんでしたが、より自然な木に近づけようと開発されたものです。
新たに設置されたバルコニーです。
全体像をお見せできず残念ですが、既存のドアと近いお色でまとめられました。ブラックもかっこいいと悩まれておりましたが、黒色は汚れや傷が目立ったり陽射しでかなり熱くなってしまうという弱点をお伝えし、ブロンズ色を設置することとなりました。以前のものより手すり壁は低くなりましたが、その分風による影響を軽減してくれます。床材を支える根太はアルミ製になり、ひび割れや腐食の心配はもうありません。木材の時のような定期的なメンテナンスをする必要もなくなりました。これで安心してお外に出ていただけます。新しいバルコニーも、きっとご家族様の憩いの場になることでしょう。
担当者コメント
LIXILリフォームショップアービック建設 渡部
腐朽菌(カビ)による腐食がかなり進んでおりましたので、崩落による大事故が起こらず本当に良かった、ご家族が無事でなによりです。どんな素材でもそうですが、特に木材は長期間維持していくためにはメンテナンスが欠かせません。お住まいのバルコニーは大丈夫ですか?時々様子をチェックしてみましょう。