住まいづくりを行うにあたって、開放感のある明るいお家にするためには窓が重要です。
一口に窓といっても種類があり、開き方やデザイン、用途などで分かれ、お部屋ごとに適切な窓を選ぶことによって、機能的でおしゃれなお家にすることができます。
しかし種類が多く、どの場所にどんな窓を設ければいいのか迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、窓の役割と種類、選ぶ際のポイントに関してご紹介します。
窓の定義と役割
窓は、住宅の採光、通風、眺望といった目的のため、お部屋や廊下、屋根などに設けられる開口部で、現代ではガラス戸などが取り付けられていることが多い建具です。
採光、通風、眺望といった3種類の役割以外にも、開放感の演出や、インテリア性を高めるためにも利用されます。
開閉の仕方にも種類があり、上下に開閉するタイプや左右に開閉するタイプ、押すタイプ、引くタイプ、開かないタイプなどがあります。
窓を選ぶ際のポイント
窓は暮らしやすさや住宅性能に与える影響が大きく、家づくりには非常に重要な場所です。
そのため、ポイントを押さえて失敗のない家づくりをしましょう。
採光・通風
窓の基本的な役割である、採光・通風のしやすさを考える必要があります。
窓は一ヶ所ごとに考えるのではなくお家全体のバランスを考える必要があり、それぞれに適した種類の窓を選ぶことが大切です。
また、開閉しやすいか、格子が必要か、網戸やカーテンは設置できるかなど、利用シーンごとに最適な窓を選ぶ必要があります。
性能
窓が多くなるとお家の断熱性や気密性に影響を与えます。
暑さや寒さに直結するため、デザイン性だけでなく窓の種類、ガラスの性能、サッシの性能にも気を配りましょう。
選んだ素材によって断熱性能や気密性能が異なり、性能の良いものを選ぶことで光熱費の節約にもつながります。
デザイン性
窓は外観デザインの一部で、お家の中からはもちろん外からも見えるため、窓の種類が違うだけでお家の印象はガラリと変わります。
外から見たときの窓の位置や形、色、大きさなど検討すべきポイントは非常に多くあります。
よりおしゃれなお家にするためには、窓のデザインにもこだわりましょう。
プライバシーの確保
大きい窓は開放感があり、採光、通風、眺望といった目的とも合致しますが、その分プライバシーの確保が難しくなります。
お家が大きな道路に面している場合は、窓の場所によっては外から丸見えになってしまい、一日中カーテンを開けられないといったケースもあります。
そのため、外からの視線や人通りなどを考慮して、窓の種類や設置場所、サイズ、数などのバランスをとることが必要です。
また、すりガラスにすることで、眺望性は悪くなりますが外からも見えにくくなります。
窓の種類と特徴
FIX窓
窓枠と窓ガラスが完全に固定され、開閉することができないタイプの窓です。
外気を入れることはできないため採光、眺望を目的として設置します。
形状の自由度が高いため、デザイン性を目的に採用されることもあります。
気密性を高くしやすくコストも安いですが、開かないため外側のガラス面を掃除することはできません。
引き違い窓
2枚のガラス戸を左右にスライドして開閉するタイプの窓で、最も一般的な窓です。
日本特有の開閉方式といわれ、窓を開閉するスペースがいらず開く量を調節しやすいといったメリットがありますが、窓が重なってしまうのでガラス面の掃除がしにくく、また、隙間が出来てしまうため気密性が低くなるというデメリットがあります。
上げ下げ窓
2枚のガラス戸を上下にスライドして開閉するタイプの窓です。
2枚とも動かせるタイプと片方だけが動かせるタイプがあり、あまり大きく開かないため外部から侵入することが難しい構造で、防犯性に優れます。
引き違い窓と同じく外側にあるガラス面が掃除しにくく、コストが高めというデメリットがあります。
すべり出し窓
取手やハンドル部分をつかんで回し外側に押し出して開けるタイプの窓です。
すべり出し窓には、縦すべり出し窓と横すべり出し窓の2種類があります。
縦すべり出し窓
出典:とりまるラボ
窓枠の上下にある溝に沿って、ガラス戸を外側に押し出すタイプが縦すべり出し窓です。
外側に開くことで壁を伝う風を取り込みやすい構造になっており、開く角度を変えることで通風量を調整できます。
外側のガラス面を掃除しやすいメリットがありますが、開放時に天候が悪くなると室内側のガラス面まで濡れてしまうので注意が必要です。
横すべり出し窓
出典:Town map
窓枠の左右にある溝に沿って、ガラス戸を外側に押し出すタイプが横すべり出し窓です。
開いていても雨が入り込みにくく、ある程度視線を遮りながら換気が可能で、水まわりの換気窓としてよく使用されます。
風を捕まえる構造になっていないため、縦すべり出し窓より通気性能で劣ります。
突き出し窓
窓枠の上側を軸にして、外側へ突き出すタイプの窓です。
開くとガラス戸が屋根代わりになるので雨の侵入を防げますが、外側にスペースを確保しておく必要があります。
開口部分が狭いため、通風性能はそこまで高くありません。
倒し窓
窓枠の下側を軸にして、上部を倒して開閉するタイプの窓です。
内側に倒す内倒し窓、外側に倒す外倒し窓の2種類があります。
内倒し窓
出典:ママ建築士のすまいブログ
ガラス戸の上部が室内側に倒れて開くタイプの窓です。
トイレ、浴室、洗面室などの採光や通風を目的に使われることが多い窓で、室内側に開くので外に障害物があるときや隣家との距離が近いときでも開閉しやすい反面、カーテンやブラインド、ロールスクリーンなどを内側に設置できないデメリットがあります。
外倒し窓
出典:ママ建築士のすまいブログ
ガラス戸の上部が外側に倒れて開くタイプの窓です。
換気用として煙や湿気などを外へ逃がすことに適した作りで、高所の採光や換気に使われることが多いですが、雨が降ると室内に入ってきてしまうため注意が必要です。
片開き窓
出典:レスキューラボ
窓枠の左右どちらかを軸として、開閉するタイプの窓です。
欧米で一般的に使われている窓で、室内側に開く内開きと外側に開く外開きがあります。
比較的気密性が高く、外開きの場合は風を取り込みやすい特徴があります。
網戸を設置している場合、窓を開くときに先に網戸を開ける手間が必要です。
両開き窓
出典:BLミニログキットハウス
2枚のガラス戸が、左右の窓枠を軸に開閉するタイプの窓です。
左右に大きく開くので、開放感があります。
人が出入りできるほど開くので防犯面に心配があり、ストッパーを付ける必要があります。
ただし、ストッパーを付けることで安全性は上がりますが、可動域が狭くなるため開放感が得にくくなります。
回転窓
ガラス戸の中心を軸として、左右または上下に回転して開閉するタイプの窓です。
開く角度を変えることで通風量を調整でき、回転するため外側のガラス面も簡単に掃除することができます。
内外両側に突き出る形になるため、格子や網戸などを設置できないデメリットがあります。
ルーバー窓(ジャロジー窓)
ブラインドのように板状のガラスを重なるように並べ、ガラスを回転させて開閉するタイプの窓です。
ガラスの角度を自由に変えることで採光や通風の量を調節することが可能で、上下に開閉するため雨が入りにくい特徴があります。
形状的に気密性の確保が難しく、また外側からガラスを外すことができてしまうため、防犯対策をする必要があります。
オーニング窓
出典:高いところ解決隊
横長のガラス戸を複数枚縦に連結した形状の、ガラス戸が回転することで開閉できる窓です。
ガラスの角度を自由に変えることで採光や通風の量を調節することが可能で、上下に開閉するため雨が入りにくい特徴があります。
ルーバー窓と似たような形状ですが、オーニング窓にはガラスの1枚1枚にサッシがついていて、ルーバー窓よりも気密性が高く、外側からガラスを外すことができません。
まとめ
窓には多くの種類があり、開き方や使いやすい位置など特徴はさまざまです。
素敵なデザインの窓はインテリア性を高めてくれる効果もあり、選んだ窓によって生活のしやすさも変わります。
それぞれ特徴が異なるため、しっかりと把握した上でご自分のお家に合った窓を選びましょう。
快適な住まい作りの参考にしていただけましたら幸いです。
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