LIXILリフォームショップ大栄建設 横浜西口店

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住宅の屋根選びのポイントは?屋根材の性能と特徴、注意点

住宅の屋根選びは外観デザインを左右するだけでなく、住宅性能やメンテナンス性にも影響を与える重要な要素です。
屋根選びを失敗してしまうと、雨漏りリスクや地震倒壊リスク、メンテナンス費用の増大などを引き起こしてしまう可能性があります。
屋根材に使われている素材にはさまざまな種類のものがありますが、各素材ごとに特徴があり、それぞれの特徴をきちんと知ることで、これからの家づくりで後悔しない屋根選びを実現することができます。
今回は、これから家づくりを行おうと思っている方に向けて、屋根選びのポイントについてご紹介します。

屋根

屋根の役割

屋根は、雨風や日差しから建物を守るため、住宅の上部を覆うように設置される部分です。
住宅が水被害を受けると、木造では木が腐ってしまったり鉄骨造では鉄骨がサビてしまったりして、住宅が倒壊する恐れが出てきます
水被害は住宅にとって致命的なダメージを負う可能性があるため、屋根や外壁の防水性は特に重要なものになります。
また近年では、屋根に耐震性や断熱性、防音性の高さなども求められるようになってきています。

屋根の形状

一口に屋根といっても、さまざまな形がありそれぞれに違った特徴があります。
ここでは、一般的に用いられる5種類の屋根の特徴をご紹介します。

屋根の形状

切妻屋根(きりづまやね)

切妻屋根とは、棟(屋根の面と面とが交わる部分)から2方向を斜面で構成する形状で、本を半分開いて伏せたような三角屋根のことです。
日本で最も採用されている屋根の形状で、構造がシンプルなため工期が短く初期費用を節約できる、雨漏りのリスクが少ないという魅力があります。
また、屋根裏スペースを比較的広くとれるため換気性にも優れています。

寄棟屋根(よせむねやね)

寄棟屋根とは、棟から4方向を斜面で構成する形状の屋根のことです。
建物のどの方向にも屋根があるため雨風に強く安定感があるのが特徴で、方角を選ばずバランスの良い形状です。
屋根面が増えるためコストがやや高く、屋根裏スペースも比較的狭くなります。
また、屋根の面が4方向のため太陽光パネルの設置には不向きです。

方形屋根(ほうぎょうやね)

方形屋根とは、屋根の頂点から4方向を斜面で構成する形状で、四角錐(ピラミッド型)の屋根のことです。
寄棟屋根に似た形状ですが、大棟と呼ばれる直線状の棟が方形屋根にはありません。
寄棟屋根よりも棟が少ないので雨漏りのリスクが低く、4方向にバランス良く屋根が配置されているので、雨風だけでなく地震にも強い形状ですが、太陽光パネルの設置には不向きです。

片流れ屋根(かたながれやね)

片流れ屋根とは、傾斜した1面だけで構成する形状の屋根のことです。
シンプルな構造のためコストが安く、屋根面の広さから太陽光パネルの設置に適しています。
屋根裏スペースを広くとりやすいため空間を有効活用することができ、高い位置に窓を設置できるので光を取り入れやすい特徴があります。
スマートなデザインから近年人気が高くなっている形状ですが、構造上雨漏り対策をしっかりとしておく必要があります。
屋根によって外壁が守られる箇所が少ないため外壁が劣化しやすく、壁面からの雨漏りリスクが高くなる傾向にあります。

陸屋根(ろくやね、りくやね)

陸屋根とは、傾斜のないフラットな形状の屋根のことをいい、平屋根やフラット屋根と呼ばれることもあります。
屋上のスペースを利用できるため、洗濯物を干したり、休日に家族と過ごしたりといった使い方をすることができます。
ただし、陸屋根はフラットなため水はけが悪く雨漏りリスクが高くなること、断熱性能が低くなりやすいため夏は室内温度が上昇しやすいこと、ソーラーパネルを斜めに設置しなければならないため架台を置くコストがかかることなどデメリットも多くあります。

片流れ屋根

屋根材の種類

屋根に使用する材料にもさまざまな種類があり、耐久性や耐水性、耐震性、断熱性、防音性などが変わってきます。
矢野経済研究所が行った「屋根材市場に関する調査」によると、2021年度の屋根材市場における素材別シェアは、金属 63.2%、セメント系瓦 15.0%、粘土瓦 13.4%、シングル材 5.6%、石粒付金属 2.9%でした。
ここでは、現在使用されている屋根材の特徴をご紹介します。

金属屋根

ガルバリウム鋼板

現在、最も使用されている屋根材がガルバリウム鋼板で、鋼板をアルミニウム・シリコン・亜鉛などでコーティングした屋根材です。
錆びにくく軽量で耐震性が高く、防水性も高いというメリットがある反面、金属のため傷がつきやすい、熱を伝えやすい、防音性が低いというデメリットがあるため、断熱材などの工夫が必要になります。
施工性の良さと軽さから、既存の屋根の上に新しい屋根を重ねるカバー工法も可能で、重い屋根から葺き替えを行うことで、屋根が軽くなり耐震性を向上させることができます。

ステンレス

ステンレス屋根は、鉄やクロム、ニッケルを含んだ合金の屋根材です。
価格が高額なため一般住宅にはあまり普及していませんが、耐久性に優れており、軽くて錆びないため、メンテナンス性にも優れています。
ガルバリウム鋼板と同様に傷のつきやすさや断熱性、防音性について工夫が必要になります。

トタン

トタン屋根は、鉄板を亜鉛メッキで覆った金属の屋根材です。
コストが安く軽量で施工も簡単なことから、昔の戸建て住宅の外壁材や屋根材として使われていました。
現在はより耐久性の高い屋根材が多く開発されているため、新築住宅に使用されることはほとんどありません。

セメント系瓦

スレート

スレートには、天然スレートと化粧スレートの2種類があります。
天然スレートは粘土板岩を加工した屋根材のことで、耐久性、防火性、耐水性に優れ、メンテナンスがあまり要らない屋根材ですが非常に高価です。
そのため、現在普及しているスレート屋根のほとんどはセメントと繊維素材を混ぜて薄い板状に加工した化粧スレートになります。
化粧スレートは、軽量で耐震性に優れ、コストが安く施工しやすい特長のある屋根材ですが、屋根材自体に防水性がなく塗装で防ぐ必要があるため、定期的な塗装メンテナンスが必須になります。
また断熱性が低く凍害にも弱いため、寒冷地には向いていません。

セメント瓦

セメント瓦は、1970年代から1980年代に多く使用されたセメント製の屋根材です。
瓦よりも安価で、厚みがあるため防音性、断熱性に優れますが、重量があり、より耐久性の高い屋根材が多く開発されたことから、新築住宅に使用されることはほとんどありません。

粘土瓦

粘土瓦は、粘土を煉り合せ、成形して高温で焼き上げられた日本家屋に古くから使われてきた屋根材です。
一般的に、「瓦」という言葉は、粘土瓦を意味します。
屋根材の中で最も耐久性に優れますが、非常に重たいため耐震性が低く、雨風の強い地域には不向きな屋根材です。
現在の瓦は防災瓦と呼ばれる従来の瓦の50%程度の重さのものや、ロック式と呼ばれる瓦同士を連結した工法など、材料も施工方法も進化しているため、従来の瓦よりも耐震性、耐風性において向上しています。

シングル材

アスファルトシングル

アスファルトシングルは、ガラス繊維基材にアスファルトを含浸・コーティングして圧着した北米で普及している屋根材です。
耐火性の低さから日本では使用が認められていませんでしたが、2007年の建築基準法改正によって日本でも使用が認められました。
軽量で施工がしやすく、シート状なので複雑な屋根の形状にも対応でき、表面に吹き付けた石粒の色によってさまざまなカラーバリエーションがあります。
石粒で覆っているため傷つきにくく、防水性・耐久性・耐震性に優れています。

デメリットは、耐火性が低いことと耐風性が低いことで、台風が多い地域には向いていません。
また、カビやコケが生えやすく、石粒が剥がれ落ちる、施工できる業者も多くないといったことが挙げられます。

石粒付き金属

石粒付き金属屋根は、金属を基材に石粒を施した屋根材です。
表面に石粒をコーティングした石粒付き金属屋根は、ジンカリウム鋼板、ストーンチップ鋼板、石粒付き鋼板、自然石粒付き鋼板、自然石粒付き化粧鋼板など呼び名が多岐に渡るため注意が必要です。
ガルバリウム鋼板とほとんど同じ構成のジンカリウム鋼板が使われることが多いため、軽量で耐震性と耐久性に優れます。
ガルバリウム鋼板と比較すると、表面に石粒があることで屋根の断熱性と防音性を上昇させます。
しかし、石粒が剥がれやすいこと、国産の製品が少なく輸入する場合はやや割高になるなどのデメリットがあります。

和風住宅

屋根材を選ぶポイント

ここからは、屋根材を選ぶポイントをご紹介します。
屋根材を選ぶポイントとして価格、デザイン性、耐震性、耐用年数、メンテナンス性などが挙げられます。

デザイン

屋根材はさまざまな種類があり、選んだ屋根材によってデザインや与える印象も変わってきます。
デザインの良さは大事な要素のため、ご自分の好みに合ったものを選ぶと良いでしょう。
ただし、美しいデザインを取り入れた住宅であっても、機能性を蔑ろにしては住みやすいお家になりません。
屋根材を選ぶ際には、デザイン性と機能性、コストのバランスを考えることが重要になります。

コスト

豊富な種類がある屋根材ですが、選択する屋根材によって価格面に大きな差があります。
屋根材を選ぶ際はご自分の予算にあったものを選択することが大切です。
ただ、初期コストを安く抑えるために価格最優先で屋根材を選び、将来発生するメンテナンス費用やメンテナンス頻度などを考慮しなければ、後々多額の費用が必要になってしまうケースも考えられます。
初期コストだけでなくトータルコストも考えて、耐用年数が長くメンテナンス性が高いコストパフォーマンスの良い屋根材を選ぶと失敗しにくいでしょう。

耐震性

屋根は住宅の上部に位置するため地震の影響を受けやすく、屋根が重いと住宅の重心が高くなるため地震の揺れが大きくなってしまいます。
そのため、屋根材を選ぶ際に重さを考慮することは重要です。
近年では太陽光発電システムを設置するご家庭も増えており、太陽光発電システムも重量があるため重い屋根材を選ぶことは倒壊のリスクが高くなります。
軽い屋根材を選ぶことで住宅への影響を抑え、倒壊のリスクを少なくすることができます。

耐用年数

メンテナンスや修繕の頻度、ライフスタイルも踏まえて必要な耐久性を検討する必要があります。
寒冷地、台風の多い地域、日射量の多い地域など、住んでいる地域の気候によっても屋根の劣化のしやすさは異なるため、その地域に適した耐久性を持つ屋根材を選ぶことが大切です。
耐用年数によってメンテナンス頻度や葺き替えに必要な年数なども変わってくるため、トータルコストにも影響を与えます。
住宅密集地では耐火性能も重要になってくるため、屋根材を選ぶ際は耐用年数や耐久性は把握しておきたいポイントです。

種類 重さ 耐用年数 価格(1㎡辺り) 耐震性 耐火性 耐風性 防音性 断熱性
ガルバリウム鋼板 約5kg/㎡ 30~40年 5,000〜10,000円
スレート 約20kg/㎡ 20~30年 4,500〜8,000円
約45kg/㎡ 50年~ 9,000〜13,000円
アスファルトシングル 約12kg/㎡ 10~30年 5,000〜9,000円
石粒付き金属 約7kg/㎡ 40~50年 8,500~15,000円

まとめ

屋根は外観の印象を大きく左右する部分であると同時に、住宅を守る重要な役割も担っています。
何を重視するかによって選ぶべき屋根は変わりますが、デザイン性だけでなく、性能やコスト、メンテナンス性など十分理解した上でご自身の住宅にあった屋根を選びましょう。
お住まいにあった屋根を選び、健康・快適で住みやすい住宅を実現しましょう。


大栄建設では、健康をコンセプトに国産木材や自然素材にこだわり、全棟耐震等級3、長期優良住宅、パッシブデザイン、高気密・高断熱・省エネの「100年住める快適な家」の設計・施工を手掛けております。
住まいづくり勉強会や相談会なども定期的に開催しておりますので、お気軽にご相談ください。

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