こんにちは
古民家鑑定士 阿部です。
2035年には人口の半分は独身になるという「ソロ社会」
先日の雑学でも多くの意見を頂いたのですが
「江戸時代の日本はソロ社会だった」そうです。
幕末における男の有配偶者率は
現代の東京の男性の有配者偶率よりも低くかったそうです。
そもそも江戸は男の都市でした。
1721(享保6)年の江戸の町人人口は約50万人
男性32万人に対し、女性18万人と圧倒的に男性人口が多かったのです。
つまり男性は結婚しようにも相手がいなかった・・。
これは
20〜50代の未婚男性が未婚女性に比べ300万人も多い現在と同じです。
独身男性で溢れていた江戸・・・
もっとも栄えたのが食産業だったそうです。
現代も独身男性は消費支出に占める食費の割合が30%近くあり
外食費が多くなってコンビニ食を含め経済を支えています。
江戸時代の独身男性たちはモノを所有しなかったそうです。
生活に必要なほとんどの物をレンタル(損料屋と言われていました)で
衣料品、布団、蚊帳、食器、冠婚葬祭具、雨具、道具、家具、畳、大八車など・・・
洗濯しないでイイようにふんどしでさえレンタルするのが当たり前だったそうです。
現代でいうシェアリングエコノミーです。
吉原や岡場所という性風俗産業、春画などアダルト産業は
独身男性過多の需要に応じて発展した産業でした。
日本人は既に一度大きなソロ社会を経験していたのです。
だからといって国が滅びたわけではありません。
子孫こそ残せなかったものの
江戸は今に続く多くの文化や産業を残しました。
江戸は循環性のある「つながる社会」でした。
灰買いや肥汲みは勿論、古紙や古釘、抜けた毛髪に至るまでリサイクルしていました。
人々の価値観も、物事や人はすべてつながっていて
自分の行いは巡り巡って自分に戻ってくるという概念が生まれています。
コミュニティーとは
安心や安定のための快適な居場所ではなく、
人と知り合い、知的好奇心を満足させ、自己を活性化するためのフィールドです。
コミュニティーを活用し、自分の中の多様性をいかにアップデートし続けられるか?
「ソロ社会でも生きる力」なんだと思います。
みんな一緒に世の中から亡くなることは稀なケースで
いずれ人は「最終的にソロ化」する確率は高いです。
個人がバラバラに孤立して生きる社会ではなく、
むしろ人と人がつながり「お互い様」と支え合う社会・・・
江戸時代はそんな「ソロ社会」だったんです。
歴史は繰り返される・・・
「ソロ社会」における地域の在り方、生き方のヒントがあります。
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