こんにちは
古民家鑑定士 阿部です。
シンガポールの塗料大手「ウットラム」が
売上高5300億円世界4位の「日本ペイント」の経営権を握りました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2867435028032018000000/
「日本ペイント」の創業は1881年
海軍の艦船に使う塗料を開発、製造する目的で設立されています。
1950年代後半
裕福ではなく父親は無職だった華僑「ウットラム」の創始者チェンリャン氏は
「シンガポールで塗料を販売したい」と「日本ペイント」を訪ねました。
第2次世界大戦中は漁に使う網を売り、
「日本ペイント」と提携して戦後塗料ビジネススタートしました。
1962年にはシンガポールで輸入塗料に20%の関税がかけられることとなり、
日本ペイントは現地生産の拠点とし
シンガポール側6割、日本側4割の比率で合弁設立しました。
「ウットラム」は
マレーシアやインドネシア、香港、タイ、90年代には中国進出を果たし
中国の住宅用塗料市場で業界首位の地位を築き上げました。
昨日「日本ペイント」の発行済み株式の39%を保有する筆頭株主
チェンリャン氏の息子は
5人の取締役候補を引き連れ「日本ペイント」の経営の主導権をとりました。
〜ひさしを貸して母屋を取られる〜何故こうなったのか?
日本ペイントは売り上げ至上主義で「世界の企業買収」を繰り返し資金を
「ウットラム」に頼りました。増資をを受け入れていきました。
約60年前には「子会社」であった「ウットラム」との力関係完全に逆転し
大きくなった「日本ペイント」は実質的子会社になってしまいました。
拡大路線をとることは悪いことではありませんが
「身の丈に合った拡大、売り上げより利益」を忘れて突き進んだ結果
現経営陣は、株主の賛同を集めて戦う「委任状争奪戦」を選ぶファイトもなく
昨日株主総会を終えたのです。
大きなニュースにはなりませんでしたが
日本の時代を支えた歴史ある企業の1つが
その役割終え華僑にその経営権が変わったのです。
知らず知らずに日本の文化が消えて行く・・・
残念なことです。
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