まずは土づくり
2月ごろの土づくりは「寒起こし」と呼ばれます。寒さを利用して、害虫や病原菌を自然の力で死滅させることができるんです。初心者でも取り組みやすい方法なので、ぜひ挑戦してみましょう。
- 寒起こしとは?
「寒起こし」は、もともとは農家さんが畑で行っていた作業ですが、家庭菜園やガーデニングでも効果的です。霜が降りる寒い時期に、土を掘り起こして寒気にさらすことで病害虫や病原菌を死滅させることができます。
さらに、雑草の繁殖を抑えられるのもメリット。「春になってから始めればいい」と思っている方、寒起こしをしておけば後々のお庭仕事がぐっと楽になります!
- 寒起こしのやり方
まず、地表に残っている植物の残がいや雑草を取り除きます。その後、くわやスコップを使って、深さ20〜30センチまで土を掘り起こしましょう。このとき害虫・幼虫は取り除きますが、ミミズは土の栄養にとって大切な存在なので、そのままにしておきましょう。
掘り起こした土はきれいに整えず、そのまま塊の状態で1ヶ月程度放置します。
剪定・植え替え・植え付け
2月は植物が休眠状態に入っている時期。今なら、剪定や植え替えを行っても植物へのダメージが少なく、作業後の回復もスムーズです。
- 3年に1回は植え替え
植物の根は鉢の中で伸び続け、壁にぶつかると枝分かれを繰り返し、次第に鉢全体が根でいっぱいになってしまいます。この状態では、植物が十分に成長できなくなり、元気がなくなってしまうことも。ゆっくり成長する植物であっても、2〜3年に1回は一回り大きな鉢に植え替えることが大切です。
- つぼみがあるものは避ける
庭木を剪定する際は、つぼみがついていないかを必ずチェックしてください。つぼみがついている場合は、花が終わってから剪定するようにしましょう。
特にアジサイ、サクラ、ライラック、ユキヤナギは、剪定時期を誤ると翌年の花が咲かなくなることもありますので要注意です。
- 2月におすすめの植物
この時期に植え付けしておけば、植物が根付いて環境に慣れるまでの時間を確保できます。例えば、マリーゴールドは初心者でも育てやすい花で、春からの庭を明るく彩ります。また、クロコスミアは丈夫で、水やりや肥料の手間が少なく、忙しい方にもぴったりの植物です。
冬から春にかけて庭を華やかにしたい方にはクリスマスローズがおすすめ。寒さに強く、庭植えにも鉢植えにも適しており、初心者でも育てやすいです。
病害虫の予防
冬の庭木消毒は春に向けて行う消毒で、「予防消毒」とも呼ばれます。機械油乳剤や石灰硫黄合剤を適切に散布すれば、庭木へのダメージを抑えながら病害虫の発生を減らせます。
- 発芽前に散布する
機械油(マシン油)乳剤はカイガラムシやダニ類に効果的で、石灰硫黄合剤は病気と害虫を同時に防ぐことができます。新芽が動き出す前に散布したいので、遅くとも3月中には作業を終えましょう。特に落葉樹の場合は、発芽の1週間前までに散布しないと薬害を起こしてしまいます。
- 1カ月以上間隔をあける
機械油乳剤と石灰硫黄合剤は同時に使用することはできません。機械油乳剤を散布した後に石灰硫黄合剤を使用する場合は、1カ月以上間隔を空けるようにしましょう。薬剤の使い方に不安がある場合は、無理をせず専門業者に相談してください。
寒肥(かんごえ)
寒肥(かんごえ)とは、冬の間に与える肥料のこと。「冬は植物が休眠しているから肥料は必要ないのでは?」と思われがちですが、この時期に肥料を施しておくと春先に植物が元気よく成長してくれます。
- 寒肥のやり方
寒肥の方法はいくつかありますが、特に「壺肥(つぼごえ)」がおすすめです。まず、枝先の真下に4〜8箇所、穴(スコップ一杯分)を掘ります。穴に肥料を入れ、上から土をかぶせて完成です。
壺肥は穴を掘る手間が少なく、作業する時間を短縮できます。
- 寒肥におすすめの肥料
寒肥には有機質肥料を使いましょう。中でも、油かすと骨粉を7:3の割合で混ぜたものはよく使われます。「油かす」は菜種や大豆などから油を搾り取った後のかすで、チッ素を多く含んだ肥料です。「骨粉」は獣骨を砕いて乾燥させたもので、リン酸カルシウムが豊富な肥料です。
牛糞や鶏糞などの肥料も利用できますが、栄養価が高いため、使いすぎには注意が必要です。与えすぎると休眠中の根が肥料やけを起こす可能性があります。適量を守って使用し、植物の負担にならないようにするのがコツです。
まとめ
今回は、2月におすすめの庭仕事についてご紹介しました。
寒さが厳しく、庭に出るのも嫌になりがちですが、このタイミングで少し手を加えておくと春のお庭が一段と美しくなります。ぜひ、この記事を参考に取り組んでみてください!
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