置き配需要が拡大しています
郵便受け・宅配ボックスのシェアNo.1を誇る株式会社ナスタが実施した調査によると、2024年の置き配利用率は72.4%に到達しており、5年連続で増加しています。置き配を利用するきっかけとしては「再配達をなくしたい」という意見が多いものの、20代女性を中心に「非対面で受け取りたい」というニーズも増加傾向にあります。
置き配利用時の指定場所は、前年同様「玄関先」が最多ですが、割合は5.8ポイント減少。その代わりに宅配ボックスの利用が増加しました。
防犯の面からも注目されています
近年、宅配業者を装った犯罪が増えており、警視庁が宅配業者と連携して置き配を推進する動きもありました。その一方で、置き配の荷物を狙った盗難もじわじわと増加しています。ナスタの調査によると、2024年に置き配によるトラブルを経験した人は利用者全体の約33%で、そのうち荷物が盗まれたケースは4.4%でした。
置き配による荷物の盗難は、基本的に利用者の自己責任とされており、こうした置き配の盗難リスクを減らすため、宅配ボックスの設置を検討する人が近年増えています。
宅配ボックスとは?メリットは?
宅配ボックスは、不在時でも宅配便や郵便物を受け取ることができるロッカー型の設備です。近年は戸建て住宅への導入も急速に進んでいます。宅配ボックスを設置するメリットには、次のようなものがあります。
- 不在時でも荷物を受け取れる
宅配ボックスの最大のメリットは、不在時でも確実に荷物を受け取れる点です。受け取りのために在宅の時間を気にする必要がないため、日中仕事の方でも生活のリズムを乱されません。
- 対面での受け取りが不要
在宅時にも利用可能なので、身だしなみを整えていない・家に他人を入れたくないといった理由から対面での受け取りを控えたい場合にも便利です。
- 盗難のリスクが低い
基本的に、宅配ボックスは暗証番号を設定して施錠するので、置き配と比べて盗難や紛失のリスクはかなり低くなります。
宅配ボックスの種類とタイプ別選び方
戸建て向けの宅配ボックスは、主に次のような種類に分けられます。
簡易型
玄関先に直接置くタイプの宅配ボックスで、ワイヤーロックなどで玄関のドアやポストに簡易的に固定します。設置工事が不要なため低コストで導入できるのがメリットです。折りたたみ式のものが多く持ち運びが簡単で、荷物が届くときだけ設置すれば良いので、日常的に宅配ボックスが邪魔になることもありません。
費用相場は3,000円〜8,000円です。ワイヤーロックは別途購入が必要な場合もあります。
設置型
地面や壁など、玄関先の好きな場所に固定するのが設置型(据え置き型)です。簡易型と比べて宅配ボックス本体の盗難リスクを抑えることができます。施工方法は大きく2種類あります。
- アンカー固定:設置する場所を新たに設け、アンカーボルトを使用して固定する
- 接着固定:既存の場所に接着剤で固定する
DIYで設置するなど手軽さを重視したい場合は接着固定、より高い安全性や防犯性を求める場合はアンカー固定を選ぶのがおすすめです。
費用相場は、本体価格と施工費用を合わせて5万円〜10万円ほどです。
壁埋め込み型・貫通型
門塀や壁に埋め込んで設置するタイプの宅配ボックスもあります。宅配業者は前の扉から荷物を入れ、受取人は後ろの扉から取り出します。場所を取らないため外観がスッキリすることや、建物に埋め込んだ場合は外に出なくても荷物が取り出せることがメリットです。
費用相場は本体価格が5万円〜15万円、施工費用は外構工事の内容次第ですが、大掛かりなものでは数十万円かかるケースもあります。
機能門柱型
機能門柱とは、表札やポスト、インターホンなどの機能を兼ね備えたエクステリア製品です。最近は宅配ボックスや照明付きの高機能タイプがよく選ばれています。デザインのバリエーションが豊富なので外観に合ったものを選びやすく、それぞれのアイテムを個別に用意するよりも低価格・短期間で設置可能です。
本体価格は機能によって幅があり、5万円前後の安価なものから、30万円を超えるようなものまで販売されています。施工費用は5万円〜10万円ほどが相場です。
宅配ボックスを設置するときの注意点
不在時でも荷物を受け取ることができて便利な宅配ボックスですが、設置にあたってはいくつか注意が必要な点もあります。
- 設置に費用がかかる
宅配ボックスの種類によっては本体価格と施工費で数十万円かかるケースもあり、設置費用は決して安いものではありません。玄関先などへの置き配で十分という方は、費用と使用頻度が見合ったものになりそうか、よく検討してから導入を決めてください。
- 宅配業者が使ってくれないことがある
宅配業者が宅配ボックスを認識できず、荷物を入れてもらえないことがあります。戸建ての場合、門の付近に設置していると見落とされる可能性が高いようです。また、操作方法が分からないという理由で宅配ボックスを使わない配達員もいます。対策として、扉の裏面などに操作方法の案内が記されたシールを貼り付けておくと良いでしょう。
- 建物の断熱性・気密性が下がる
貫通型の宅配ボックスは、外とつながっており受け取り口から外気を取り込むため、住宅の断熱性や気密性に影響を与える可能性があります。最近では断熱性・気密性を考慮した宅配ボックスも販売されているので、貫通型の設置を考えている方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
2024年問題をきっかけに注目を集めている宅配ボックス。さまざまな種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。実際に設置した方の施工事例なども参考にしながら、ご自宅のライフスタイルに合った宅配ボックスを選びましょう。
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