11月に頭が痛くなりやすい理由
気圧や天候の変化が原因で体にストレスがかかり、体調不良を引き起こすことを「気象病」や「天気痛」と言います。まずは気象病について確認していきましょう。
気圧の変化がストレスに
気象病の原因はまだ詳しく解明されていませんが、耳の奥にある「内耳」が関係していると言われています。内耳は気圧の変化を感知するセンサーの役割を持ち、自律神経にも影響を与えます。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、このバランスが崩れることで不調があらわれるのです。
例えば交感神経が優位になると体が緊張して血流が悪くなり、頭痛や肩こり・冷えなどが起こります。反対に副交感神経が優位になりすぎると、お休みモードに入ってしまうため、「だるい」「朝起きられない」といった症状が出やすくなります。特に11月は気圧の変動が激しいため、体調不良を感じる人が増えるのです。
特に頭痛が起こりやすい
気象病ではさまざまな症状が出ますが、代表的なものとして次のような症状があります。
- 頭痛
- めまい
- 耳鳴り
- 吐き気
- 倦怠感、だるさ
- 不眠、眠気
- 肌荒れ
- 関節痛
- 肩こり
- 腰痛
- 腹痛、下痢
もともと片頭痛を持っている方は、気圧の変化によって症状が悪化することが多いようです。自分はもちろん、パートナーや子どもの様子が「なんだか、いつもと違う...?」と感じたら、次に紹介する対策方法を試してみてください。
気圧変化による頭痛の対処法
つらい頭痛、できるだけ早くラクにしたいですよね。ここでは、簡単にできる対処法を紹介します。家事や育児の合間にできるものばかりなので、ぜひ試してみてください。
耳をマッサージする
耳には、自律神経に関係するツボがたくさんあります。特に耳の上部にある「神門(しんもん)」というツボは、自律神経を整える効果が高いと言われています。
- 親指と人差し指で耳の上部(神門)をつまんで、3秒ほど優しく押し込む
- 耳の上部、真ん中、耳たぶを順番に引っ張る
- 耳全体を手で包み込み、ゆっくりと円を描くように回す
お風呂上がりなど全身の血行が良くなっている時に行うと、より効果を感じやすいです。
タオル体操を行う
耳のマッサージと一緒にぜひ取り入れてほしいのが「タオル体操」です。フェイスタオル1枚あれば簡単にできます。
- フェイスタオルの端を持ち、首の後ろに当てる
- 首をゆっくり後ろに倒し、タオルを斜め上に引っ張る
- 10秒キープする
- タオルは引いたまま、あごを喉に近付けるように前に倒す
- 10秒キープする
首や肩の凝りがほぐれると血行が良くなり、頭痛の予防や緩和につながります。
軽い運動をする
頭が締め付けられているような頭痛は「緊張型頭痛」と呼ばれます。交感神経から副交感神経への切り替えがうまくいかず、筋肉が長時間緊張することで起こります。
緊張型頭痛をやわらげるには、軽い運動がおすすめ。心拍数が増えて血流が促進されますし、汗をかくことで副交感神経が優位になります。「運動なんて面倒...」と思うかもしれませんが、実は5〜10分程度のウォーキングでOKです。例えば、一駅分を電車やバスに乗らずに歩いてみるのはいかがでしょうか?
ただし、ズキンズキンと脈打つような「片頭痛」の場合、運動によって痛みが悪化する傾向があります。体を動かすのではなく、静かな場所で横になっているほうがよいでしょう。
気圧の変化をチェックする
天気と体調の関係がわかるように日記をつけるのもおすすめです。日々の記録を通じて、どんな時に頭痛が起きやすいかを把握できるようになります。
気圧を知るには「天気痛予報」や「頭痛ーる」が便利です。地域ごとの気圧変化に加えて、気象病の予報(「警戒」「注意」など)も知らせてくれます。薬を事前に飲んだり、外出の予定を変更したり、体調に合わせた対応ができるでしょう。
ひどい場合は病院へ
気象病による頭痛がつらい時、「市販の頭痛薬で我慢しよう」と考える方も多いでしょう。しかし、自己流の対処では症状が悪化してしまうこともあります。特に、3〜4日も症状が続いたり、仕事に集中できないほどつらい場合は、他の病気が原因かもしれません。内科や頭痛外来を受診して、体に異常がないか確認してもらいましょう。
また、頭痛を持つ方は、うつ病や不安障害(パニック障害)といった心の病気も発症しやすいことがわかっています。もし「眠れない」「食欲がない」「気分が落ち込む」などの精神的な症状もある場合は、心療内科や精神科に行くことをおすすめします。
まとめ
今回は11月に頭痛を感じやすい理由と対処法についてお話ししました。
この時期は気圧の変化が激しく、頭痛やめまい・耳鳴りといった体調不良が起こりやすくなります。耳のストレッチやタオル体操を習慣にすると、痛みがやわらぐかもしれませんので、ぜひ試してみてください。
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