住宅用火災報知器の役割
住宅用火災報知器は火災時に発生する煙や熱をいち早く感知し、警報音で火災を気づかせる役割を果たしています。
「令和4年版 消防白書」によると、建物火災による死者のうち75%が住宅火災の犠牲者です。また、朝方4時~5時に発生した火災による死者が一番多く、犠牲者の約半数が「逃げ遅れ」によるもので、高齢者が死者全体の8割近くを占めています。
この結果から、火災報知器によっていち早く火災を発見することが、いかに重要であるかがわかると思います。朝方は熟睡していて火災に気付くのが遅れるケースも多いため、火災報知器が正常に作動するか確認しておく必要があります。
参考:「令和4年版 消防白書」
住宅用火災報知器の耐用年数は10年
まずは、住宅用火災報知器の耐用年数が10年ということを把握しておきましょう。耐用年数が過ぎると火災発生時に感知せず作動しなくなってしまうため、火災が起きても気づかず逃げ遅れてしまう可能性があります。実際に過去5年間で、火災が発生したにも関わらず火災報知器が作動しなかったケースが約600件あったことが報告されています。
火災報知器が正常に作動していれば、逃げ遅れることなく犠牲者を減らせたかもしれません。ご自身や家族を守るために万が一の事態に備え、火災報知器が正常に作動するかどうか定期的に点検しましょう。
耐用年数の調べ方
もし火災が発生しても被害を最小限に抑えるために、火災報知器が作動する状態を維持しなくてはなりません。そのため、自宅に設置している火災報知器が耐用年数内であるかどうか調べましょう。耐用年数内か調べるための方法は2つあります。
1つは、火災報知器本体の側面に書かれている「設置年月」を確認する方法です。設置年月を記入しているようであれば、そこで年数を確認しましょう。
もう1つは、火災報知器本体の裏面に貼られている銘板から確認する方法です。銘板の中に製造年が書かれている箇所があるので、そこで確認してください。
耐用年数が過ぎている!何をすればいい?
火災報知器を設置してから10年が経過している場合は、新しいものと交換することをお勧めします。また、交換の目安は耐用年数の経過で判断するだけでなく、火災報知器が正常に作動するかどうかテスト点検することでも確認できます。
テスト点検の方法は機器ごとに異なりますが、多くの場合「火災報知器の点検ボタンを押す」「点検ひもを引いて確認する」ことで確認できます。取扱説明書が手元にある方は、一度点検方法を確認してみるといいでしょう。いずれかの方法で警報が鳴れば、正常に作動していることがわかります。火災報知器は多くの場合1~6ヵ月ごとの点検を目安としていますので、耐用年数内であっても定期的にテスト点検することをお勧めします。
一方、以下のようなことが原因で火災報知器が作動しない場合があることも覚えておいてください。
- 破損、変形している
- ホコリや水滴が付着している
- 電池切れ、あるいはきちんとセットされていない
上記、あるいは故障警報が鳴った場合は取り替えのサインです。電池の寿命なら電池交換すれば良いですが、それでも作動しなければ火災報知器本体が故障している可能性があります。その際は、販売店やメーカーに相談して本体を交換してください。
まとめ
建物火災の大半は、一般住宅で発生する火災です。そして住宅火災は、火災報知器が正常に作動すれば犠牲者を減らすことができます。
火災報知器によっていち早く火災に気づき、スムーズに避難して大切な家族の命を守ることができるのです。そのためには住宅用火災報知器の重要性をしっかり理解し、火災報知器が正常に作動するかどうか定期的な点検や交換を忘れずに行いましょう。
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