虫干しとは?
「虫干し」は、衣類や本などを日光に当てて風を通し、虫食いやカビを防ぐためのお手入れ方法です。昔から、日本では着物のお手入れとしてよく行われていましたが、今では本や食器・調度品・絵画などのお手入れにも使われています。
虫干しには「小さな異変が見つけやすくなる」というメリットもあります。例えば、服に白いカビが生えていたらどうでしょう?長期間放置しているとその服がダメになるだけでなく、他の衣類にも移ってしまいます。 早めに気づいて対処すれば、お気に入りを捨てずに済むかもしれません。虫干しを定期的に行うと、大事なものを長く使い続けることができるんです。
時期は年3回
虫干しは、年に3回行うのが理想とされています。
まずは「土用干し」と呼ばれる、梅雨が明けた7月末から8月頃。梅雨の湿気でしっとりしてしまった衣類や本を乾かすのにぴったりです。
次は「秋の虫干し」。9月末から10月にかけて、夏の間に衣類や本に潜んでしまった虫を追い払うために行います。
そして、最後に真冬の「寒干し」。2月頃は空気がとても乾燥しているので、虫干しにうってつけのタイミングです。
年に3回行うのがベストですが、忙しい毎日の中で、なかなか時間が取れないこともあります。そんな時は、年に1〜2回でも問題ありません。大事なのは、少しでも定期的にお手入れをして、虫やカビから大切なものを守ることです。
10時から15時がおすすめ
虫干しをするなら、前日も晴れていた快晴の日を選びましょう。おすすめの時間帯は午前10時から午後3時まで。この時間帯は湿気が少なく、日差しもよく出ているので、しっかり乾かせます。夕方から夜にかけては湿気が増えてしまうので、暗くなる前に取り込むようにしてください。
なかなか条件が合わない場合でも大丈夫。タンスの引き出しやクローゼットのドアを少し開けておくだけでも、湿気を減らす効果があります。
虫干しの方法
「虫干しってなんだか難しそう...」と思うかもしれませんが、実はとてもシンプルです。ちょっとした手間で、大切なものを長持ちさせることができます。ここでは、虫干しの手順をわかりやすく紹介しますので、ぜひ試してみてください。
ホコリを払う
最初に、ほこりやチリを優しく払い落としましょう。小さなゴミでも放置しておくと、カビが生えたり、虫が寄ってきたりする原因になってしまいます。柔らかいブラシや乾いた布を使って、丁寧に拭き取るのがおすすめです。
せっかく乾燥させてきれいにしても、収納場所が汚れていると意味が半減してしまいます。タンスやケース・本棚も忘れずにお手入れしましょう。掃除機で中の綿ぼこりなどを吸い取った後、乾いた布で拭きます。
しばらくの間、引き出しを開けたままにして風を通し、湿気を飛ばしましょう。
風通りの良い場所に移す
次に、風通しの良い場所に衣類や本を移します。衣類はハンガーにかけて、本は新聞紙の上に広げるといいです。ポイントは、日陰で風通しの良い場所を選ぶこと。庭やベランダで良さそうな場所がないか探してみてください。
もし、外に干す場所が見あたらない場合は室内でもOKです。窓やドアを開けたうえで、扇風機・サーキュレーターで風を通してあげると効果的です。
収納する
午後3時ごろになったら、シミや変色がないかを確認してから元に戻しましょう。着物の場合は、正しく畳んでから新しいたとう紙に包んで収納してください。さらに、防虫剤や乾燥剤も新しいものに取り替えると安心です。
これで、大切な衣類や本をしっかりと守ることができるはずです。
虫干しをする際の注意点
強い日差しに長期間当たると色焼けや黄ばみが発生しやすくなります。虫干しを行うときは、直射日光が当たらない場所を選びましょう。部屋の中で干す場合も注意してください。日中は日差しが届かない場所でも、夕方になると西日が窓から入ってくるかもしれません。事前に日当たりの状況を確認しておくと安心です。
また、意外かもしれませんが、蛍光灯の明かりでも色焼けしてしまうケースもあります。虫干しをしている間は照明を点けるのも避けた方がよいです。
まとめ
今回は「虫干し」について紹介しました。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、虫干しは日本で昔から行われてきたお手入れ方法です。
お気に入りの衣類や大切な本を虫食いやカビから守りたいなら、ぜひ取り入れたい習慣です。次の週末にでも、実践してみてはいかがでしょうか。
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