令和6年12月2日から、紙の健康保険証が発行されなくなります。これからはマイナンバーカードを健康保険証として使うことになりますが、厚生労働省によると、現在の利用率はたったの5.47%。つまり、ほとんどの人はまだ、健康保険証をマイナンバーカードへ切り替えてないという状態です。
そこで今回は、マイナ保険証への切り替え方法やそのメリット、注意点についてわかりやすく解説します
マイナンバーカードを保険証として使うには
マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、「マイナポータル」というサイトで申し込みを行う必要があります。手続きは簡単なので心配はいりません。必要なものは、申込者のマイナンバーカードと4桁の暗証番号(パスワード)、マイナンバーカードを読み取ることができるスマホ(またはパソコン+ICカードリーダ)です。
具体的な手順を紹介します。
- マイナポータルの公式サイトにアクセスする
- 「健康保険証利用の申し込み」ボタンをクリックする
- 利用規約を確認し、「同意して次へ進む」→「申し込む」をクリックする
- パスワードを入力し、マイナンバーカードを読み取る
- 「申し込み完了」と表示されれば手続きは完了
医療機関でマイナ保険証を使うのも簡単です。病院や薬局の受付で、マイナンバーカードをカードリーダーに読み込ませるだけでOKです。
【スマホ篇】マイナンバーカードの健康保険証利用の申込方法の手順(2021年2月26日公開)
マイナ保険証のメリット
ここからはマイナ保険証のメリットを説明します。これまでの保険証よりもぐっと便利になるので、早めの切り替えをおすすめします。
高額な支払いがなくなる
事故で大きなケガをしてしまった場合など高額な医療費が発生した時に使えるのが、健康保険の「高額療養費制度」です。高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払った額が上限額を超えた場合、超えた金額が支給される制度です。
後から払い戻されるとは言え、一時的に自己負担となりますし、受診した月から実際に支給されるまで少なくとも3か月程度かかります。これでは金銭的な負担が心配ですよね。しかし、マイナ保険証を使えば、その場で高額医療費の限度額を超える支払いが免除されます。金額にドキドキすることなく治療を受けられるのは大きなメリットと言えるでしょう。
医療費控除の手続きが簡単になる
医療費控除の手続きって、地味に面倒ですよね。1年間に家族全員が受けた医療費が多かった場合、明細書を所得税の確定申告書に添付しなければなりません。時期が近づくと憂鬱になる...という方も多いのではないでしょうか。
しかし、マイナ保険証の登録作業が完了すると、マイナポータル上で医療費の情報を簡単に確認できるようになります。マイナポータルは国税庁の「確定申告書等作成コーナー」とも連携しているので、医療費通知情報のデータを自動で転記します。
「こんなに簡単に申請できるなら、もっと早く切り替えておけばよかった!」と思うことでしょう。
医療情報が共有される
マイナ保険証を使うと医療情報の共有が可能になります。医療機関に薬の情報や健診結果を提供することに同意すれば、医師はより正確な診断を行えるようになります。
例えば、いつも飲んでいる薬が切れてしまったものの、かかりつけの病院がお休みだったとします。マイナ保険証があれば、別の病院に行った場合でも、お薬の履歴から適切な処方を受けることができます。旅行先や緊急時でも、普段通りの医療サービスを受けられるのは助かりますよね。
マイナ保険証の注意点
マイナ保険証は便利な一方で、注意しなければいけないポイントもあります。特に今は切り替えの時期なので、しっかりと確認しておきましょう。
利用できない医療機関もある
マイナ保険証は「マイナ受付」のステッカーやポスターが貼ってある医院や薬局で使用できます。しかし実は、すべての医療機関でマイナ保険証が利用できるわけではありません。
現段階では導入率が100%ではないため、いつも通う歯科医院やクリニックが対応しているかどうか、事前に確認したほうがよいでしょう。
新しい健康保険証は発行されない
令和6年12月2日以降、現行の健康保険証は発行されなくなります。マイナ保険証を持っていない場合は保険者から「資格確認書」が交付されますので、こちらを持参してください。
発行済みの健康保険証は、改正法の経過措置により最長1年間は引き続き使用できますが、早めに切り替えることをおすすめします。
まとめ
今回は、マイナ保険証への切り替え方法や、メリット・注意点について解説しました。
マイナ保険証はマイナポータルから簡単に申し込みができ、使う際も窓口のカードリーダーに読み込ませるだけなので簡単です。あらかじめ手続きしておけば、高額な治療費を払わずに済み、医療費控除の手続きもスムーズです。また、医療情報の共有によって、質の高い医療サービスを受けられます。
しかし、利用できない医療機関があることや、紙の健康保険証が発行されないことには注意が必要です。病院に行ってから困らないよう、ぜひこの機会に切り替えを検討してくださいね。
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