蜂の巣の見分け方と巣を作りやすい環境
人の生活圏内に巣を作る蜂は、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチの3種類が代表的です。
蜂の巣の見分け方
スズメバチの巣の特長
マーブル模様の丸い巣はスズメバチの可能性が高いです。初期の段階では、半円やフラスコのような形をしていることが多いのですが、丸く大きな形に成長している物は、巣として完成した状態。中にいるスズメバチも活発に活動し攻撃性が高いため注意が必要です。マーブル模様でとっくりのような形をしているのは、コガタスズメバチの巣です。
アシナガバチ
巣穴がむき出しで、シャワーヘッドや蓮の実のような形状をしている巣はアシナガバチの可能性が高いです。巣を作る場所によっては稀に縦長い形の物も見られ、最大で15㎝ほどの大きさになります。
ミツバチ
巣穴がむき出しで、何層もの板状の形をした巣はミツバチの可能性が高いです。ミツバチは、蜂の中でも割と身近な存在なので、見たことがある方もいらっしゃると思います。
蜂が好んで巣を作りやすい場所
①雨風の影響を受けにくい場所
基本的に、蜂は雨が苦手です。これは蜂の羽が薄く、水分が付着するとうまく飛べなくなってしまうためです。また巣自体も湿気に弱いことから、雨風の影響を受けにくい軒下や屋根裏などを好んで巣作りする傾向にあります。
②閉鎖空間
蜂は外敵から巣を守るため、屋根裏や樹洞などの閉鎖空間に巣を作ることが多いです。しかし、キイロスズメバチのように、初期段階は閉鎖空間に巣を作り、蜂の数が増えてくると開放空間に引越しする種類の蜂もいます。
③餌が豊富な場所
蜂の巣が大きくなるにつれて働き蜂の数が増えてくると、巣の近くにたくさんの餌が必要になります。蜂の食糧となる昆虫や花が多い場所は巣を作りやすいため注意が必要です。
蜂の巣作りを防止する方法
①市販のハチ用忌避剤
忌避剤とは害虫・害獣を近づけないようにする薬剤で、蜂の場合は木酢液がよく使われます。効果は1〜2週間ほど持続しますが、雨で流れることもあるため、定期的に散布・塗布してください。
②ハッカ油
蜂はハッカ油に含まれるメントールの香りを嫌います。木酢液よりも香りがキツくない分、蜂避けの効果は落ちてしまいますが、人間にとっては扱いやすいアイテムです。持続性はなく1日程度しか香りがもたないため、こまめに使用する必要があります。
③蜂捕獲器
液状の誘引剤で蜂をおびき寄せ、そのまま沈めて捕獲します。市販のものもありますが、ペットボトルと酒・酢・砂糖で自作することもできます。蜂の数が増えてからでは危険なので、女王蜂だけで巣作りをしているタイミングで仕掛けるのがベストです。
④甘い香りのするものを置かない
蜂は嗅覚が敏感で、甘い香りのするものはエサと勘違いして寄ってきます。ジュースやお菓子などの食べ物、香水や制汗剤の香りによく反応します。こうした香りのするものは、蜂が飛来する可能性のある場所には置かないようにしましょう。
もし蜂の巣が作られてしまったら?
①刺激せずに静かに離れる
巣を見つけた場合、殺虫スプレーや音・振動で蜂を刺激することなく、静かにその場を離れてください。また化粧品や柔軟剤など、蜂が好む香りは普段から身につけないようにします。
②すぐに専門業者を呼ぶ
蜂の巣の駆除はとても危険な作業ですので、基本的には専門業者に依頼してください。
駆除費用は蜂の種類や巣の大きさ・場所によっても変わってきますが、約1万円〜5万円が相場です。業者に一度現場を見てもらい、見積を依頼すると良いでしょう。
蜂に刺されてしまったときの対処法
①患部を流水で洗い流す
蜂の毒成分は水に溶けやすいため、刺された箇所を流水で洗い流します。また患部を強くつまんだりして、毒を体内から絞り出します。口で吸い出すのは危険ですので、絶対に避けてください。
②早めに病院へ
一度に多くの蜂に刺された場合や、嘔吐や呼吸困難などの症状が出た場合、すみやかに救急車を呼んでください。基本的には皮膚科を受診します。一度蜂に刺されたことのある人は、アナフィラキシーショックを起こしやすく危険なので、不安がある人は症状が出る前から相談しましょう。
まとめ
蜂の毒は大変強く、最悪の場合には命を落としかねません。こうした事故を防ぐためにも、蜂の生態や習性、刺された場合の対処方法を正しく理解しておきましょう。
蜂が巣作りを始める春先は予防対策を徹底し、もし巣が作られた場合、自己判断せずに専門業者に相談してください。