お金や時間がないから...と、家の定期的なメンテナンスを見送ったり怠ったりしていませんか?引き渡し以降、家は適切な時期に適切なメンテナンスを行わないと、後々、修理費用が増え余計な出費に悩んだり、家の資産価値を下げることになります。
この記事では、築年数ごとに必要なメンテナンスや、それを怠った場合にどのような影響があるのかなどを解説します。
定期的なメンテナンスを怠ると...
家のメンテナンスを必要なタイミングで実施しないと、住宅にさまざまな影響を及ぼします。
防蟻工事
防蟻工事は薬剤の効果が5年程度で切れるため、5年置きの実施が基本です。防蟻工事を怠ると高い確率でシロアリが発生し、床下や柱が食害され、自然災害時に倒壊するリスクも生まれます。シロアリ被害の修理費用は被害状況にもよりますが、基礎の交換が必要なケースでは30万円〜100万円近くかかり、通常の防蟻工事(1回15万円程度)の倍以上になります。
外壁塗装
外壁塗装の役割は、紫外線や雨風から家を守ることで、家の耐久性の維持には必要不可欠です。一般的な耐用年数は10年ですが、それより前に劣化症状が見られる場合もあります。
【外壁塗装の劣化サイン】
- 変色や色褪せを起こしている
- 外壁を触ると、手に白い粉が付く(チョーキング現象)
- ひび割れがある
- 塗膜が浮いたり剥がれたりしている
これらを放置すると、ひび割れの悪化や雨漏りが発生し家に大きな悪影響を及ぼすため、通常より大規模な補修工事が必要になります。下地まで劣化が進行している場合は張り替え工事を行うため、通常の塗装で60万円〜80万円かかるのに対し、150万円〜300万円ほどの費用がかかります。
住宅設備の入れ替え
給湯機器や冷暖房、システムキッチンなど、家の中にはさまざまな設備があり、耐用年数=交換時期の目安が決められています。各設備の基本的な耐用年数は10年〜15年です。
耐用年数が過ぎても使い続けることはできますが、いつ故障してもおかしくない・メーカーの保証が効かないなどのリスクがあるため注意が必要です。また、故障してから交換するよりも、故障する前に交換した方が、全体的な費用は安く済むケースがほとんどです。
家の資産価値が変わる?
築年数の経過や建物の劣化により、家の資産価値は自然と減少していきます。なるべく資産価値を維持するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
また、リフォームによって家にさまざまな付加価値を付けることで、資産価値を高めるという考え方もあります。特に耐震性の向上や省エネ化を図るリフォームは、国も補助金制度などで力を入れており、資産価値が評価されやすい傾向にあります。
ひとつ注意しておきたいのは、リフォームが固定資産税に影響する可能性がある点です。増築によって床面積が増えたり「スケルトンリフォーム」と呼ばれる大規模なリフォームを行うと、固定資産税が増額されることがあります。税額も視野に入れてリフォームを考える場合、事前に業者へ相談してみると良いでしょう。
快適に暮らすために日頃からできること
業者による定期メンテナンスの他、自分たちで日頃から実践できるメンテナンスもあります。
- こまめに掃除する
掃除は、最も基本的なメンテナンス作業です。汚れやホコリを溜め込まず、いつでも清潔で過ごしやすい環境作りを目指しましょう。特に気をつけたいのがキッチンなどの水回りで、こまめに掃除や換気をしないとカビが発生し、家の寿命を大きく縮めることになります。
- 定期点検を行う
家のメンテナンスをする前に、外観や室内をしっかり点検し、現在の状態を正しく把握することが大切です。定期的なセルフチェックで問題を早期発見しましょう。次のような症状が見られる場合、家の劣化が進んでいるため、早めに業者に相談してください。
【外観のチェック項目】
- 外壁塗装のひび割れ、剥がれ
- 雨樋の詰まり、破損
- 窓や扉の周辺に隙間がある、開閉しづらい
- 屋根の表面が浮いている
【室内のチェック項目】
- 天井や壁にカビが発生している
- 床が傾いている、沈む
- 配管からの水漏れ
- 床下にシロアリの痕跡がある
- DIYでセルフメンテナンス
屋根や外壁工事は業者への依頼が必須ですが、床のワックスがけや壁紙の張り替えなどはDIYでも対応可能です。自分好みに仕上げられる他、費用が節約できる点もメリットです。道具や材料はホームセンターでほとんど揃うため、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。
まとめ
長く快適な住環境を実現するには、定期的な家のメンテナンスが欠かせません。あらかじめ先の計画を立てておき、時期が来てから急に慌てないよう備えておきましょう。
一部のメンテナンスについては、国や自治体から補助が受けられる可能性もあります。費用面で悩んでいる方は、ぜひ活用を検討してください。
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