こんにちは!本多建設の本多和彦です。
・
中学、高校と学校もクラスも一緒で、
かれこれ60年近くも付き合っている友達がいます。
彼も商売を息子に譲り、毎日暇を持て余しては、
時々会社に顔を出し、何かれと息子に
仕事の話をしては口出しをするので、息子から
「本多さん、もっと親父と遊んでください。
なるべく会社にこないように言ってください。」
と頼まれ、さもあろうと、こちらも暇を持て余す
身なれば、喜んで引き受けた次第。
・
3年ほど前から2か月に一度、日帰りで東京に
二人で遊びに行くことにしました。
目的は寄席に行って落語、漫才、手品、紙切りなどを見て、
夕方5時ころから浅草や下町のちょっと小洒落た居酒屋で
1時間半ほど飲んで、上野発19時20分の新幹線に乗り、
途中缶ビール1,2本飲んでほろほろと酔っぱらってると、
21時20分には米沢に着きます。
自宅に帰れば風呂入ってバタンキューと熟睡となり、
70歳を過ぎた年寄りの遊びとしては
贅沢な一日となります。
・
JRの大人の休日俱楽部への入会は男性65歳、
女性60歳から、若干の年会費を払えば、
JRの路線はほとんどが3割引きとなり、
かなりお得感があります。
米沢ー東京、新幹線往復約2万円が1万4千円で、
6千円も安くなります。歳をとって儲かったという実感は
JRの乗車賃ぐらいなもんですかな。
・
時によっては、上野の美術館で我々にも分かりやすい、
印象派などの作品がテレビや新聞などで宣伝されているのを
見つけて、一応文化人気取りで観に行きます。
・
平日に行くのですが、いつ行っても上野の公園は
人だかりがすごく、よくみればそのほとんどが我々と同じ
シニア世代、年金生活者の憩いの場なのかもしれません。
特に有名な展覧会などは、例えばフェルメール、ゴッホ、
ルノアールなどや最近では奇想の系譜の伊藤若冲、
曽我蕭白、長沢芦雪などは入館するのに
並ばねばならないほどの人気で、もとより
絵画にそんなたしなみなどあるはずもなく、
上野の美術館で誰それの絵を見てきたよと、
帰ってからの土産話程度だから、
館内では一幅の絵に2,3秒ほどで通過し、
それでも一通り回っても結構な時間となり、
70歳過ぎれば疲れて早く外へ出て、
冷房のきいたコーヒーショップで休みたくなります。
・
せっかく東京へ電車賃かけてきたのだから、
寄席に行く前の1時間ほどの時間つぶしというより、
知的虚栄心の満足ともなりますね。
ここが団塊の世代のいやらしいところかも。
・
かくして東京日帰り、寄席見物の旅は
これからも続けるつもりで二人して納得しています。
行くたびに面白くなるのは上野、浅草、池袋、
新宿、などで、寄席を見るのも楽しいのですが、
帰るまでの電車の待ち時間に浅草下町をぶらぶら
散策すると、思いもかけぬ懐かしい建物や
風景や江戸情緒に出会うと、やみつきになります。
・
老人二人、学生時代の青春を思い出しながら、
たった二合の酒を飲んで、同じ話を何回も
繰り返しながらしゃべっているんですね。多分。
一覧へ戻る