明けましておめでとうございます。本多和彦です。
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静かな正月を迎えました。
我が家は長女夫婦と同居しています。
4歳の女の子と2歳の男の子がおり、
我が女房殿とで、6人家族となります。
孫たちは正月期間幼稚園も休みで、久しぶりに
毎日朝から晩まで顔を合わせていることになり、
食料の買い物に一緒に連れて行っては、
絵本をねだられれば買ってやり、
ガチャボール買いたいといわれれば買ってやり、
甘いじじいを存分に発揮したおかげで、
「じいちゃん、じいちゃん」とおだてられて、
あげくお年玉も奮発して・・・
大泉逸郎の演歌「孫」の気持ちにどっぷりと浸かった正月でした。
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午後からは娘夫婦たちは遊びと買い物に出かけると、
私と女房の二人だけとなります。
なにもすることがないので、茶の間でテレビを見ることになります。
二人の会話は天気のこと、つまりよく降る雪だとか、
今日はあったかいねとか、そこからの会話の発展はほとんどなく、
しーんとした中でテレビの音だけが大きく聞こえてきます。
歳とともにテレビの音が聞こえにくく、ヴォリュームを上げていき、
家族からはじいちゃんもっと音を低くして
などと時々いわれますが、あまり気にしません。
二人ともそこでテレビの音だけを聞きながら、ほぼ寝ているのです。
周りが静かであればあるほど、テレビの音だけがしていると、
妙に静けさを感じるものです。
つまりは、平和で穏やかでいい正月ということになります。
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来年二月、満70歳を迎えます。
いよいよアラセブンの古稀ということになります。
仕事も実務は完全にゼロとなります。
この数年来から落語や寄席に楽しみを見つけてきました。
それをもっと深くやってみようかとふと思いつきました。
思いつきだから適当です。
何となく人生の軽さというものにこの身を置いても
もはや誰もとがめはしないだろうと勝手に思い、
洒脱こそ我が人生とちょっと気取りたくなったのです。
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そこでいい言葉を見つけました。
高田文夫の「誰も書けなかった笑芸論」のなかに、
次のような役者評価があります。
戦後の浅草喜劇役者に「由利徹」という役者あり。
彼の芸はひとことで言えば
「品性の高い下品さと、崇高なるくだらなさ」にある。
彼の域に近づくにはせんだみつお、高田純次がどうあがいても
まだまだである、と。
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喜劇役者はおうおうにして一度シリアスなドラマに熱演すると、
性格俳優になろうとします。
それはそれで役者の価値観ですから、かまいませんが、
徹頭徹尾、喜劇役者を全うするのも
潔さじゃないでしょうか。私はその生き方が好きです。
それこそが落語の本質のような気がするからです。
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今年から粋で、洒脱で、軽やかで!!!
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2018.01.12
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