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私と旅ー中国・武漢の40日(1)~・会長ブログ・~

こんにちは! 本多建設の本多和彦です。

 

 

 1993年(平成5年)8月3日(火)、米沢を発ち、成田へ。

成田発14:55CA920、上海着17:00、上海から国内線に乗り換え、武漢空港着はその日の21:00頃でした。

 

 その半年前、横浜に住んでいる私の友人から、「中国で住宅を建ててみないか。」との話がありました。彼は何度も中国に行っており、特に武漢というところにコネがあるから、会社を作るならコネのあるところがいい、中国東側の大都市は大手企業が進出しているため、中小、零細企業は進出しにくく、むずかしい。

やるなら内陸でまだ外国企業があまりきていない武漢などはこれからの事業展開にはいいところだ、といわれあまり調べもしないで、すぐ納得し、海外ビジネスの成功を夢みながら酒を飲み、友人と語らい、壮大な気持ちで武漢に会社設立の決断をしました。

 

 武漢とは、北京から南へ1200㎞、上海から西、揚子江の上流1000㎞、香港、広州から北へ1000㎞離れたところにあり、中国の臍といわれるほど、真ん中に位置しています。北京、上海、広州から飛行機で約1時間の距離です。

 

 会社設立とモデルハウス建設の目的で、私と本多建設現場監督2名、私の友人とで8月3日出発しました。今考えれば事前調査もなく、友人の言葉だけを信用して一ヶ月以上も会社を留守にし、さらには現場監督2名も連れて、出かけたわけですが、後でどう考えても無謀にちかい決断でした。

 

 武漢市には東湖という大きな湖があります。そのまわりに別荘地があり、これからは中国人の富裕層または外国人のための別荘地として開発される場所でした。地元の不動産屋から一区画提供してもらい、私たちがそこに木造ツーバイフォーの住宅を建て、モデルハウスとして建て売り別荘を展開していく目論みでした。

 

 当時の武漢市人口は600万人と聞いています。夏は連日30度を超す暑さが続きます。食べ物は内陸で海がありませんので、魚は揚子江で獲れる淡水魚の料理がメインで、あまり美味しくはありません。肉類も揚げ物が多く、野菜もほとんどが炒め物ですから、一週間で飽きてしましいます。また味が濃いので独特の香辛料の香りに食欲はかき消されます。

 

 このままでは体が持たないので、ホテルの部屋に冷蔵庫と調理するための電熱器や、鍋類を買ってこさせて、10日目あたりから自炊をしていました。当分は日本から持って行った鯖缶、のりの佃煮、梅干し、納豆、固形カレーなどで過ごしました。

初めての経験は、納豆は冷蔵庫に入れておけば、2週間以上はもち、腐りもしないで食べられることに気づきました。ただしいくらこねっても納豆の糸がでず、豆がぽろぽろしているだけですが、なんとか食べられました。下痢もしなかったから納豆という食べ物は素晴らしいと感心したもんです。

 

 武漢での私たちの社員は、友人の知り合いの家族でそれぞれ仕事を持ちながら、手伝ってくれました。いずれは会社が軌道にのれば、正社員として迎えることになっていました。3ヶ月も前から会社設立のための登記をするために働いてくれて、当時としては珍しく、日本人だけの資本で会社設立ができました。当然簡単ではありません。人脈を使い、金も使い、なんとか許可をもらいました。最後に担当者のハンコをもらうために、担当者の机の引き出しにセイコーの時計をさりげなくいれたら、すかさず許可のハンコを押してくれたのには、ここは中国だと改めて感心しながら笑ってしまいました。

 

 いよいよ基礎工事が始まります。そのためにも社員2名を連れって行ったわけですから。

その話は次回に。

 

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