漫画家の萩尾望都さが、
アイズナー賞を獲得しました。
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この作品は、永遠の時を生きつづける
バンパネラ(吸血鬼)・ポーの一族の物語。
少女時代の私は、
ショッキングな "萩尾さんの世界" に
圧倒されました。
「エースをねらえ」
「ベルサイユのばら」・・
当時、他の著名なアーティストが
ヒットを創り出す中、
「ポーの一族」は異彩を放っていました。
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"14才"
それは、子供でもなく、大人でもなく
中途半端な年。
それを「反抗期」と呼ぶ人もいます。
かつて、
萩尾さんのドキュメンタリー番組をみた折、
娘(萩尾さん)を応戦しない母親との葛藤を
述べられていました。
それがこの作品の原動力にも
なっていると思います。
自分の存在を見極めたいが、
何にもなり切れない時期。
その神秘というよりも、むしろ
謎だらけの多感な時期を
平家物語の「諸行無常」の理念にもあいまみれ
見事に表現しています。
・・・何も生みだすものなく
・・・将来に託すものもない
あるのは「今」だけ。
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エドガーとアラン。
14歳の二人の少年の世界。
"不死"という、誰もが一度はあこがれる願いを
時空を超え旅していくのです。
でも彼らは決して幸せではないのです。
人に認められない存在。
存在の意味を問いながらの道のり・・
"自分は何処からきて、何処へいくのだろう"
この永遠のテーマを
繊細なタッチで描くこの作品は、
いつまでも色あせることは無いでしょう。
~~ アイズナー賞 ~~
アメリカの漫画賞で
コミックの殿堂と言われる。
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