物語の背景は少々異なりますが、
おおむね、この二つの作品は
同じ結論を導いています。
「青い鳥」のストーリーは、
魔法使いのおばあさんに頼まれて
チルチルとミチルの兄弟が、
"幸せの青い鳥"を探す物語。
一方、「杜子春」のお話も
仙人によって、
身近で、ごく普通の暮らしの中に
"満ち足りた幸せがある" という
結末で終わります。
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でも、芥川の「杜子春」は、
もう一つ、大切なメッセージがあると感じます。
杜子春は、自身も"仙人"になる修行を始めます。
師である仙人から
決して口を開いてはいけないと
言われながらも、
最後に地獄の畜生道で苦しみを受ける
母の姿に向かい、ついには
「お母さん」と叫びます。
つまり、人としての"情"を持っていたので、
貧乏で憐れだった彼は、
本物の幸せを得られらたのではないでしょうか。
これは「青い鳥」のメインテーマには
特には表現させていません。
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コロナ・ウクライナ問題・サル痘と、
決して穏やかな日常ではないかも知れません。
しかし、いつの世にあっても
普遍的な無条件の愛が
魂を救ってくれるのだと思います。
"幸せが、なだれのごとく
すべての人々に降り注ぎますように"
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