Tせんぱ~い。
こちらはもうすぐゴールデンウイークです。
新緑が眩しいです。
葉っぱの赤ちゃんの香りも
この世を謳歌していますよ。
春になると必ず思い出す・・
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きつかったあの春合宿と、優しすぎたT先輩。
越後中里の大自然の中、
朝6時からの10Kmマラソン。
それも朝食前。
誰がそんなん"朝練"メニューをつくったの?
部の慣習だったらしいけど。
そんな豪華? なメニューを
朝飯前から 、まさに"アサメシまえ" とばかりに
トップ・ゴールでこなしたT先輩。
当時、先輩方は下級生達に
きついトレイ―ニングを課していました。
が、他の諸先輩方とは違って、T先輩だけが、
すべてのハードな練習のすべてを
私達下級生徒と一緒に、やってくださいましたね。
また文化祭では、部の出店 "お汁粉やさん"の
心配をしてくださったり。
「塩をお汁粉に入れ忘れないでね。
隠し塩が大事なんだ。」
と、ご教授下さり、
さすがは甘党のT先輩らしいと
仲間と話したことを
お汁粉を作るたびに思い出します。
部活の4年間は、
本当に充実して楽しかったですね。
戻りたい、あの頃に。
もう一度会いたい、センパイに。
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40年前の私の部活。
一年生は 奴隷。
二年生は 小間使い。
三年生は 人間。
四年生は 神様。
という具合。
箱根駅伝でもなんでも
完走できそうな "掟" ですよね。
今でも、この経験は私の宝物です。
T先輩!
こちらの様子がお空から見えますか?
お陰さまで、みんな精一杯生きています。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の発症から
天に召されるまで、
"人間としての在り方"を、その生きざまを通して
導いてくださいました。
いただいた最後の手紙が手元に在ります。
(手紙と言っても、特別なパソコンで、
口で書いたもの)
「・・・・中略・・・
だいぶ、呼吸が浅くなってきました。
心臓マッサージをしてくれる母の手が、
ふと軽く感じられます。・・・」
進行型のこの病気は、最後の選択肢として
人工呼吸器をつけるか否かが問われるそう。
「家族に迷惑をかけるから、人口呼吸器は装着しない。」
吐露された時のことは忘れられません。
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箱根ターンパイクが近い "風祭 " 駅。
病院のあるその駅には、
もう降りる機会はないでしょう。
今でも、箱根のこの道路を通ると、
当時の病院での会話を
とぎれとぎれに思いだします。
病院でお会いしたご家族のお顔も
記憶にさだかではありません。
遥か昔の一場面。
ただ、先輩の看病のために、
病院近くにアパートを借りたご両親様。
特にお母さまの気丈なお顔は
なんとなく残像があります。
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先輩のことも「思い出」に変わっていくような。
"人間って" ていうか、私の場合は、
忘れようと努力すればするほど、
記憶がリフレインする脳の仕組みのようで(笑)。
でも、真に"思い出"に変わるまでには、
もう少し、歳月が要るようです。
正直言って、"懐かしい" とまではいきません。
学生時代の4年間の輝きと
闘病生活の2年間が、
あまりにも対照的だからです。
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学生時代の部活の集まりが、年に数回あります。
そのうちの一回は "T先輩を偲ぶ会"です。
私は、その会に参加したことはありません。
コロナがひと段落して、
また先輩を偲ぶ会があったら行ってみようかしら。
入院中のT先輩に、
バレンタインチョコをプレゼントしたことも、
いまさらながら、白状しちゃいましょうね。
いつかまた、ビリヤードにも連れて行ってくださいね。
約束です。
ではお会いする日まで。
お元気で!
リエより
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