泣けました。
この映画の時代背景は、戦後の発展に慌ただしい世情。
確かに"戦争がない"という「平和」が、
そこには映しだされています。
今こそ、この映画を見るべきです。
あらすじは尾道に住む老夫婦が、
独立した子供達の家庭を訪ねて
東京を旅行するお話です。
苦労して育てた子供たちはそれぞれに独立し、
家庭を守っている。
上京した老親を、もてなす余裕もなく、
一番思いやりを示したのは、
無き息子の嫁(役・原節子さん)でした。
~~~~~~~~~~~~~~~
白黒の映像に、淡々としたセリフ。
日常生活の表現の仕方が、何ともたまらない。
場面に"遊びがない"というより、
実生活を"お涙ちょうだい"で描かなくても
役者さんのごくごくありふれた会話の中に、
・・生活するとは?
・・日常とは?
・・老いていくとは?
これらの一貫したテーマがあります。
~~~~~~~~~~~~~~~
日々の積み重ねと老いが"常"であり、
不変的な人間の"生"であることを
私達に改めて思い起こさせてくれる傑作です。
2度、この映画を真剣に観ましたが、
感銘は全く一緒です。
同じ作品を数回見ると、そのたびごとに
異なった感情と発見があるのもですが、
これに関しては、それがありません。
その秘密は小津作品だからだと思います。
監督の作品では「おちゃづけ」「晩秋」が
私のおススメです。
多数の名作がありますが、
コロナやウクライナ問題がある今、
この映画は私に「生きる」に伴う"無常"を
切なく存分に伝えてくれます。
~~~~~~~~~~~~~~~
(独り言)
暗い記事が多いこの頃、
テレビ映像でニュースを視ることが辛いです。
映画で感動をもらっています。
一覧へ戻る