雪予報の後に、一人で散歩に出てみた。
あの懐かしい空があふれている。
雀のさえずり、カラスの素っ頓狂。
耳に入るものは、すべてが新しい。
今年は、鶯は聴こえただろうか。
梅の臭いにばかり気を取られ、
桃のほころびの問いかけに、たった今に気が付いた。
近いようでそうでない。
たとえ触れてなくても、満たされるものがある。
やはり私の遺伝子は正直なよう。
「梅」と「鶯」
それと「桃のはな」
頭の芯まで空気を入れると、
ゆっくり、身体中のすみずみにまで血が巡る。
なんだか桜餅が恋しい。
確かに、甘しょっぱさが口いっぱいに広がっている。
宇宙まで透けて見える この空間が、
今の私の居場所。
すべてに感謝。
一覧へ戻る