「目ざしている医者になれないのなら、このまま自殺しようと考え・・・」
容疑者の17歳の少年の言葉です。
各メディアでいろいろな意見、報道が飛びかいました。
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少し前、書店に行くと「人生の勝ち組」「負け組」というタイトルや帯の書籍が多く並んでいました。
「人生の勝ち組」になる人とは誰?
「人生の勝ち組」とは何?
・・それは「お金持ちになる人」「有名大学を卒業して上場企業に就職すること」「社会的名誉を得る事」?
どれもが正解?
現代の価値観ともいえるでしょうか。
前述のどれにも当てはまらなくても、月並みな死を迎えることができたなら、立派な勝ち組の人だと私は思います。
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大人にとっても「試験」は大きなこと。
特に若者には、大学受験は人生をある程度決めてしまうような試練に感じられるのでしょう。
しかし、どうして「医者になれいないこと」が「死に値する」と考えてしまったのでしょう。
社会像や親の考えが大きく若者に影響を与えます。
戦後、日本が歩んだ道が、彼の人生観を大きく左右したと言えます。
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子供に偏差値の高い大学へ入って、いい会社に就職してほしい。
経済的に安定した職業に就いてほしい。
名声を得てほしい。
このよう考える親が多いのは事実です。
"偏差値の高い"大学を卒業しなくても素晴らしい未来が待っている。"
そんな当たり前のことにが、実感できる現代であって欲しいです。
彼を追い詰めてしまったもの・・私達大人に反省する点があると思えて仕方ありません。
偏差値思考・医者崇拝思考・高所得思考など、人が陥りやすい闇です。
今回の事件はあってはならないことではありますが、
"現代に育った彼"に、ほんの少しの許し(更生の機会)を与えてほしいのです。
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「何が裁かれるべきか?」
大人たちが作り出した歪んだ価値観?
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「許さないこと」が、次の「許されないこと」を招きます。
日本の"死刑制度"は、日本が他国から尊敬されない要因の1つ。
(凶悪事件の予防という人もいます。そうかもしれません。)
一方、死刑執行人である刑務官を"新たな殺人者(犠牲者)"にしてしまっている事にも視線を合わせるべきです。
負の連鎖をどこで断ち切るべきか?
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"子供たちに良い人生を送ってほしい"気持ちは私の心にもあります。
私が子供たちに得てもらいたいものは「生きる力」です。
受け継いだ財産、健康、若さはいずれは失われていくもの。
・・貯金がすべて紙切れにっても、
・・守ってくれる親が早逝しても、
・・誰かの裏切りにあっても、
生きる力(=良い人間関係・知識・教養・健康・豊富な経験,etc)があれば、
人生何とか過ごしていけるような気がします。
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「辛い事」は人によって違います。
彼にとって"医者になれないこと"が、死にたいほど辛いことでした。
人と人とを比較して、"どちらがより大変な重荷か" なんて他人が判断することは軽率です。
思いやる気持ちを忘れないで過ごしていけたら
自分の心もきっと穏やかでしょう。
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