今年の初雪の日。(横浜)
お昼前から、しんしんと降る雪。
突然サンタが現れた。
朝からの雨がやがて雪に変わり、あたり一面すっかり銀模様。
私は雪が大好き。
足跡のない雪の綿道を、履きなれないブーツでお絵描きすれば、たちまちそこは"おとぎの世界"
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サンタは豪華なソリにも乗らず、我が家の前にひっそりと立っていた。
頭のヘルメットも大きな荷物もすっかり雪化粧。
(日本昔話の〝かさ地蔵"さんみたい・・)
私の顔を見ると、
「工事のため、この道は現在通行できません。恐れ入りますが・・・」
そう。彼(サンタ)は建設現場のガードマン。
「はい。わかりました。雪の中をご苦労様です。」
家の2階窓から彼の様子を伺うと、すっかり雪に同化して、ヘルメットも眼鏡も真っ白け。
おや、まあ。凍っちゃう!
「ねえパパ。何か温かい飲みものでも彼に持っていこうかしら。」(私)
「うん、どうかな? もしトイレにいきたくなったら彼も困るかもしれないね。」(配偶者)
「暖かい飲み物はカイロにもなって、飲まなくってもきっと役に立つよ。」(娘)
そんな会話の後で、暖かいほうじ茶を彼に差し入れた。
"ほうじ茶"なら、トイレの心配は少し減るかも。
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暖をとる家の中では、家族みんなのお昼ご飯。
窓ガラスは氷の霧で煙っている。
外は今年一番の冷え込み。ガードマンの彼がやっぱり気にかかる。
そうっと、そうっと・・二階の窓から再び覗いてみると、彼が私の渡した"ほうじ茶"を飲んでいる。
アッという間に、窓辺に二人の子供たち・・・6つの目玉。
「あ、飲んでいる。」
なんとも心がはしゃいでる。
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おやつの時刻を過ぎた頃、彼がお礼を伝えに家に来た。
呼び鈴越しの娘の声は、事務的で味気ない。
まあ、わかります。
こんなオバサンの心にもサンタ・クロースはやってきます。
息子が、室外機の上に、手紙とほうじ茶ポットを見つけた。
切り取ったいメモ用紙のインクの文字が、雪でにじんでいました。
・・・原文のまま・・・
ありがとうございました
手がかじかんでキレイに書けないことをお許しください
お茶すごくおいしかったです。
実は一番好きなお茶はほうじ茶だったりします
荷物おかせていただき助かりました。
今日は雪がふったので嫌で寒い一日になるとおもっていましたがお客様のおかげで温かく良い仕事初めになりました。
顔も名前の知らない私にここまでしていただき
本当にありがとうござました
・・・・・・・・・・・
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あれから一週間がたち、今朝もまた、玄関前にガードマンさんが立っていました。
あの日の彼(サンタ)ではありません。
少し残念❓
再会しない方が夢がある?
ありふれた日常の中にサンタさんはいるのです。
クリスマスだけにやってくるのではないようです。
感受性豊かな "幼心" が、時間と共に大人の世界に淘汰されていくうちに
大切なもの(サンタ)を見つけにくくなっていくよう・・
こんなに感激するプレゼントを、しばらく貰ったことはありません。
・・・とどけ! 私からサンタさんへ・・・
お手紙をありがとうございます。
気持ちを文字にしてくれて嬉しかったです。
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