12月7日、「大雪」(雪が激しく降り始める頃・二十四節気のひとつ)を迎えました。
お寺や神社に紅葉は残りつつ・・・
~~~~~~~~~~~~~~~
「フナ侍とは、あまりの雑言!」 浅野 内匠頭(あさの たくみのかみ)・赤穂藩主
「殿中でござる・・・」 忠臣
歌舞伎でも人気の、あの「松野廊下刃傷事件」。
12月14日は、この事件に端を発する「赤穂浪士の討入の日」。
~~~~~~~~~~~~~~~
この時期、都営浅草線・泉岳寺駅は毎年"墓マイラー"でにぎわいます。
泉岳寺で「赤穂義士祭」が行われるからです。
"墓マイラー"とは、読んで字のごとく血縁関係の有無にかかわらず、"有名人"や"ある故人"のお墓に参る人のこと。
「掃苔」(墓石の苔を掃く)を行いながら、先賢に思いをはせるらしい。
赤穂浪士の「墓参り」の根強い人気は、
"御恩とご奉公" "勧善懲悪"という、
日本人の遺伝子に深く組み込まれている二つの感情に
強く訴えるからだと思います。
当面、この遺伝子は受け継がれていくことでしょう。
(有名な日本昔話「鶴の恩返し」も、御恩と奉公がテーマ)
~~~~~~~~~~~~~~~
文献からすると、大石内蔵助は昼行燈(ひるあんどん=役に立たない)と罵倒されていたそうで、
彼以外の46士は、比較的身分の低い浪士であったようです。
奥歯にものが挟まった言い方ですが、ちょっと考えてみて下さい。
大石内蔵助は、2年もかけて、本当に忠義心から仇討計画を練ったのでしょうか?
周りからの重圧からだという説もあります。
吉良上野介は立派な藩主で、領民からはとても好かれていたそう。
映画や歌舞伎では "吉良上野介が自分への賄賂を拒んだ浅野内匠頭をいじめた" とされていますが
それは事実無根のようです。
文献のみならず、赤穂浪士を題材とした映画や小説をみてみると、ますます日本人について知りたくなります。
歴史には私たちの心を覗くヒントが多くあります。
47士の"墓マイラー"に怒られそうですので、この辺で・・・
~~~~~~~~~~~~~~~
巣鴨の「慈眼寺」に芥川龍之介のお墓があり、私は子供の頃になんとなく立ち寄った経験があります。
その頃は、あの「地獄変」の著者の墓というだけで、なんとなく眺めていました。
もしもお墓に手を合わせて"良秀の娘(火だるまの中、死に絶える娘)の霊に取り憑かれたらどうしよう"
な~んて科学的根拠もない思いを持っていました。
私自身人生後半を迎えますが、
子供の頃と違った"墓マイラー"になり、
故人の足跡や逸話、遺作、歴史的意味に触れてみるのもまた一趣です。
一覧へ戻る