昨年のお話。(あるご婦人の体験談)
ご主人が、介護を必要とする状況で退院することが決まりました。
ご主人が突然倒れられてから、奥様は心配ばかり。
体重も減り、毎晩、涙が湧いてきたそうです。
コロナ禍のため、特別な事情がない限り面会も許されず・・・
ご主人の意識が戻り、ようやく許された面会。
その手を握った時には、言葉は「お父さん」しかありませんでした。
退院のめどが立った頃、奥様は粗大ごみや介護ベットの手配、介護改修リフォーム、介護の勉強に追われました。
そして退院日が近づくにつれ、奥様の心に「介護することへの不安」が一気に押し寄せてきました。
「女の自分一人で、夫の介護が自宅でできるか?」・・不安にさいなまれる日々。
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まず「断捨離」覚悟で家の片付けを始めました。
長らく着ていないご主人のセーター、もう着ることのないゴルフ・ウエア、
若い頃、ご主人からプレゼントされた古びたスカーフetc。
一つ一つに思い出が染みついていて、心に重たい作業になったそう。
ところが、何日かしてふと気づいたそうです。
ご主人との平穏な日々が、とてもに貴重で幸福であったということに。
ご主人への感謝の気持ちが、以前に増して溢れ出てきたそうです。
育児に忙しい子供たちが、これ機に実家に集まる回数も増え、時には心強くなったり・・
そう、なんとなく少しずつ、心が整っていったそうです。
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ご主人様の退院後は、慣れないことの連続で、心折れることもあるそうです。
息抜きをしながら、この自分の気持ちとのお付き合いが続きます。(奥様より)
近頃、ご夫婦は、ますます仲睦ましいご様子。
お互い(介護される人とする人)の生活リズムが合うまでには、少々、努力と時間がかかったことでしょう。
先日、そのご婦人に道でお会いした折、
"来春、暖かくなる頃には、車椅子なしで二人でお散歩することがご夫婦の目標" だそうです。
介護に纏わるお話は、決して人ごとではありませんね。
実父が要介護者になった時には、私は"別居の娘"という立場でした。
生活を共にしていたわけではありません。
次にどのような"介護者の立場"になるのかはわかりません。が、
「片付けをしていく中で、感謝の気持ちが再び湧いたきた。」という
こちらのご夫婦から、大きなことを学びました。
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寒い日が続きます。
健康第一でお過ごしくださいませ。
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