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リフォームか新築か

齢を重ねると、やたらに寒く感じるようです。

今年の冬は本当に寒いと思える日は数える位でしたが、義母は寒い寒いが口癖です。

エアコンを付けていても、ストーブを焚いていても、自身の身体の燃えが少ないということなのですね。

身体を動かすことが、ほんの少しになってしまったから、悪循環になるのです・・・・自分の未来なこんななのかしらと思ったりします。

だから・・・だから余計そう思います。

家が暖かいのが一番いいのだと。

我が家は昭和55年築、まもなく築40年になろうとするところです。

木造在来工法です。

結婚して6年間、離れに住んで居ました。住んで居たというより、離れに寝に帰っていたという感じです。

その頃の母屋は築120年でした。本当に昔の家をキッチンと居間をリフォームして住んでいました。

離れは無断熱で下からは湿気がたっぷりで、嫁入りの桐のタンスの表面に黒いカビが生えました。隣が水田でしたから無理からぬことです、

寒中、掛布団の縁の顔の当たりが凍りました。外気温と室温は1度しか変わりませんでした。

夏は灼熱で2階に寝ていられませんでした。

夫と私は23歳の結婚でしたから、結婚が決まってしまって本当ににわかごしらえに小屋を改築したのだと思います。

そのころの私の実家は築7年位かな、暖房はセントラルヒーテング・・・・今にしてみれば木造在来住宅の泥壁の家でしたから、廊下は寒くて暖かさは今のレベルには及びませんが。

若かったからあの離れで過ごせたかも(笑)

30才前に新築しました。

4世代で暮らしていましたから、全員の希望を取り入れたら88坪になってしまいました。

家の大きさを縮小することが、どれだけ大変だったことか、もうやけっぱち気分で、希望通りの88坪。

断熱材もたっぷり入れ、窓も二重にしてと、それまでと住環境が格段に上がりました。

それから10年ちょっとで、会社は高気密高断熱住宅を建てるようになりました。

家を建てるのがちょっと早すぎたといえないことはありませんが、その頃夫の祖父が「この家になったから長生きできた」と言ってくれましたから、いい時期だったとと思っています。

家が暖かいと長生きできるし、生活の質が上がることは間違いありません。

平成3年には体感型のモデルハウスが完成し、多くのお客様に体感していただきました。

今までそういう「住み心地」追求の住まいは存在していませんでしたから、体感された皆様はびっくりなされたはずです。

そしてこの佐久に高気密高断熱住宅を根付かせていただきました。

我が家も息子ファミリーは高気密高断熱住宅に住んでいます。孫が幼稚園の時、私に教えてくれました。「ぼくんちあったかいよ」と。

我が家に来るときは山ほど着てきましたもんね(笑)

少し大きくなると、その言葉が出なくなりました。わかるようになって私たちを気遣ってくれているのでしょう。

我が家も水回りは、子供たちの結婚を機にリフォームしました。寒さは内窓を付けてある程度は解消し他は我慢しています。

お客様を見ていると、リフォーム病ってあると思うのです。

なまじ手をかけ始めると、次から次にとリフォームになってしまい、資金的に建て替えできない。

資産価値が上がるリフォームは、おそらく新築と同じ位かけなければなりません。

掛けたとしても、本当に「住み心地」がよくなる保証はできないのです。

ほどほどで我慢をするか?

根本から考えなければなりません。

現在住んでいる人数、そして将来この家に住んでくれる人の数。

そして現在の家の大きさ・間取り。

つまり次世代が住むかどうかも問題なのですね。

我が家を考えたら、ダストアレルギーの息子は我が家に泊ると、途端に鼻がおかしくなるもの、もう是非ここで住めとは言えないのが現状だけど。

我が家88坪といいましたが、何をするにもこの大きさゆえに悩むのです。

寄り事の外注化が進みました。交通網の発達にもより、泊まられるお客様も少なくなりました。

そうなると大きな家は必要なくなるのですね。

大きいと・・・・何が大変かと言えば、窓ふきです。二重サッシを経て、いま内窓を付けましたから、内部のガラスを含めて150枚近くです。

日常は使うことの少ないお座敷が3つ、これもそれなりに掃除をして、季節ごとにしつらいを替えます。

廊下には3月に1度ワックスを塗り・・・・。

真夏の一番暑い日には家中の寝具を干したり、洗ったりします。

これも88坪のなせる業です。

こんなこと、いつまで出来るかとこの頃とみに思います。

年をしたら、生活をシンプルにしたい。

我が家も立派な木材を使い、義父が生前100年は大丈夫と言っていた家です。それはきちんと手を入れ続けてを前提にしてのことですが。

でもねえ・・・・大きすぎます(笑)

家の他に大きな小屋があって、かっての離れも物置として健在ですから。

まるで家に使われています私。

もう老後は・・・・もう老後ですが・・・・こじんまりとしたあったかいお家に住みたい。

会社の「涼温な家」仕様の事務所は日本一快適なのです・・・・この味を知ってしまっているのですもの(笑)

築40年の家にお金をかけても、次世代がも余すでしょうし、資産価値が上がる訳でもなく、中途半端になってしまうし。

只々もったいないのね。

誰しも思うでしょうね。愛情をかけて手間暇かけて慈しんできた家だものと。

う~ん、なんでこんなこと書いているかと言えば、先日来社してくださったお客様のお話が、私の席にも聞こえてきて、私もわが身のことと考えてしまったからなのでした。

お客様の家も大きくてご立派な家のご様子でした。築年数はたぶん同じ位かなと。

わが身につまされるのです・・・・こんな言葉あったかしら(笑)

リフォームか新築か、私も考えさせられた日となりました。

するかしないかの現実には目を瞑ってですが。

舌筆に尽くしがたい思いがいっぱいで、長くなりました。

依田 美恵子

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