昼休み「教えて欲しいのですが」とパソコンで打ち出した写真をもって訪ねてこられた方があった。
古い土蔵の木材の材種を知りたいのだという。
どこの地域にいつ頃建てられたものなのですか?とおお聞きした。
この地元で江戸時代だという。
「うーん」とうなった私。
梁は間違いなく赤松だろうが、板材がわからない。
まさしく地産地消の時代である。江戸時代って何年前って指折数えてみてしまう、少なくとも180年以上前の建築であろう。
その当時の山と現在の山は全然違う。現在の山は戦後植林された山であるから。江戸時代の人の見ていた景色は今の景色ではない。
はてそれまでこの辺りの山の木は何がメインだったのだろうか。というより建築材には何を使っていたのか。
私の子供の頃、まだ植林が始まった頃の山は雑木が多かった。そして沢筋には杉がわずかにあった。
それは戦争で荒れた山だったのかもしれないが、薪や炭が煮炊きや暖房に使われていたから、それはそれなりなのかもしれない。
その頃唐松がどの程度あったのだろうか?
それが一番素朴な疑問。
天然唐松・・・テンカラってこの地でもとても貴重だったけど、今それが存在するかはわからない。少なくとも10年は聞いていないもの。
写真を見ただけでは、私の目では判断はできなかった。
ペーパー上のことなら、かなりわかるけど(笑) 実務には弱いのよね。
うっすら埃もかかっているし・・・・なんて目を凝らしながら、勘でお答えもできないから、ギブアップ。実務に携わっている方にお伺いしたほうがとお話をした。
社長でもいれば私よりずっとわかるんだろうけど。
古い土蔵の調査を依頼されたのだという。
おかげで私は200年前の佐久の山に心をはせることができた。
どんな山だったのだろう。
私が嫁いだ時、母屋は120年たっていると聞いた、そうすればそれはやっぱり江戸時代の建物である。あの黒光りしていた柱はなんだったのだろうか。
こわして30数年。
帰ったら父に聞いてみよう。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家
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